批判噴出「日本共産党」が重要イベントをギリギリで延期した内部事情

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ジリ貧の党運営

「京都に鈴木あり」と言われるほど、京都での党勢拡大に寄与した鈴木氏の著書に対し、党側は、処分理由をこう述べている。

「党綱領の社会主義・共産主義論を否定するなど、わが党の綱領路線に対する全面的な攻撃を、党の外からおこなっています」

「鈴木氏の一連の発言や行動は、党内に派閥・分派はつくらない、党の統一と団結に努力し、党に敵対する行為はおこなわない、党の決定に反する意見を、勝手に発表することはしないという党規約の規定を踏みにじる重大な規律違反です」

 先の記者によると、

「鈴木氏は党員に影響力が大きく、処分は不当でむしろ党側の判断が間違っていたり時代遅れだったりするのではないかといった声が内部でも上がっています。その後に行われた統一地方選で全国的に惨敗したことは、そういった批判的な声を反映したものと言えるかもしれません。かつては財政の柱だったしんぶん赤旗の部数は20万部を割っていましたが、それもこの3月だけで5%も部数が減ったと指摘されています」

立憲からのソッポ

 不破氏としては、さまざまな内紛・混乱をある程度収束したうえで8中総を開くという段取りにしないと、執行部の求心力維持もままならない──と判断したというところだろうか。

 悪いことは重なるというか泣きっ面に蜂ということなのか。15日以降、立憲民主党の泉健太代表が「共産党とは選挙協力はしない」との発言を展開し始めたことも志位氏には辛いところだろう。

 志位氏はこれに対し、「2021年総選挙では、『共闘勢力』で一本化した59選挙区で勝利し、自民党の重鎮や有力政治家を落選させたということです。さらに、59選挙区のうち56選挙区で、『共闘勢力』の比例得票の合計を小選挙区候補の得票が上回る『共闘効果』が発揮された」と会見で訴えたが……。

「立憲としては一体化して塊(かたまり)になれば与党候補とも対等に戦えることは理解しているものの、軸もない単なる塊なら逃げる票もあり、そういった野合はその後の情勢にじわじわと悪い影響が出てくると見ているのでしょう」(同)

 この日本で、23年も政党トップに君臨する人物は志位氏をおいて他にいないことは事実だ。党の内部にも外部にも味方や仲間が少ないことが露見し、「退き時」がいよいよ近づいているとの声も大きい。

デイリー新潮編集部

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