批判噴出「日本共産党」が重要イベントをギリギリで延期した内部事情

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わずか10日で前言を撤回

 日本共産党は5月12日、G7広島サミット中に招集を予定していた第8回中央委員会総会(8中総)の延期を発表した。「国会日程との関係で開催が困難となったこと」をその理由に挙げているが、どうもそんな理由ではないとの声がもっぱらだという。

 中央委員会総会は、200名ほどの中央委員と准中央委員からなる「中央委員会」の最高決議機関で党大会に準じる存在。他党や多くの国民はさておき、党にとっては重要なイベントである。

 そもそも共産党が8中総の開催を決めたのは5月2日のこと。国会日程はもちろんその他の要素も考慮のうえでこの日程を選んだことは間違いなく、わずか10日で前言を撤回するあたり、のっぴきならない事情があったことが透けて見える。

「こういった朝令暮改のようなことは異例ですね。国会日程は関係ないと見られており、公安当局者もその動向に注目しているということでした」

 と、事情を知る記者。

「共産党を内部批判する記事が出たことについて、志位和夫委員長が不破哲三元議長から“まずはその処理から”と釘を刺されたと噂されています」(同)

除名された大ベテラン

 不破氏は2006年に議長を退任し、現在93歳だが、今もなお常任幹部会委員に留まっている。極めて影響力の強い実力者として君臨し、志位氏も意見できないとされている。都心から1時間ほどの山麓にある自宅では、党本部から派遣されるコックが住み込みで腕をふるってきた。「貴族の生活」とかつて批判されたこともある。

 そんな不破氏が問題視したのは、文藝春秋6月号に掲載された『志位和夫は習近平以下だ』と題した記事だ。著者は、党歴60年で京都府委常任委員だった鈴木元(はじめ)氏。

「鈴木氏は今年1月に『志位和夫委員長への手紙』を出版し、委員長就任から23年になる志位氏に速やかな辞任を求めました。が、3月に党から除名され、それを受けたのが今回の記事でした」(同)

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