実は自民党員だった26歳芦屋市長 選管を当惑させた「覆面ポスター」の意図とは?

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「実は自民党員なのに」

 とても凡人にはまねできそうもないが、とにもかくにも関西では「灘高ブランド」が錦の御旗で、芦屋在住の灘高OBが続々支援を表明した。「グリコ森永事件」で誘拐された江崎グリコの江崎勝久会長(81)や、ロート製薬の山田邦雄会長(67)など、関西の大手企業トップが支援を約束。兵庫選出で自民党所属の山田賢司外務副大臣(57)の支持も受けたが、あくまで高島氏は「無所属」を貫いた。

「実は自民党員なのに、どうして党推薦をもらわないんだという声は自民支持者の中から出ました」

 そう明かすのは、地元政界に通じた自民党関係者だ。

「昨年夏ごろから自民は候補探しを始めましたが、高島さんは山田副大臣のルートで入党したと聞いています。公認候補となった方がわれわれも応援しやすい。そう彼に助言したんやけど、“無所属で出たい”とかたくなでね。やっぱり関西は維新が強い。“維新の支持者も取り込みたいんやな”と聞いたら、ニコッと笑っておった。ホンマに彼は戦略家。自民の現状も分かった上でわれわれもハメられた格好やけどね。自民とも幾つか約束を取り付けたようだし、自公など与党系市議が支える構えだから、議会運営で困ることは当面ないと思う」

 無所属の仮面を被りながら、海千山千の地元有力者たちと渡り合い、組織票もしっかり固めていたのだ。

本人に聞くと…

 一連の選挙戦術を当のご本人はどう考えているのか。

 連休明けに登庁する高島氏を直撃すると、足早に公用車へ乗り込み、持ち前の笑顔で“市役所に問い合わせください”とだけ言い残して去っていった。

 改めて市に取材を申し込むと、以下のような内容の回答を書面で寄せた。

「本人が自民党員であったことは事実であり、このことは新聞取材や事務所開きの取材でも明確にお答え申し上げているとおりで、本人が隠していた事実はありません。どの政党からも推薦や公認を受けず、無所属として戦ったのは、市民の代表として、市民のことを最優先にすべきという政治的信条に基づくものです」

 選挙戦で見せた老獪(ろうかい)さを市政にどう生かしていくのか。お手並み拝見である。

週刊新潮 2023年5月18日号掲載

特集「なぜか弟のポスター大量掲示で“変な戦い” 史上最年少『26歳芦屋市長』もう一つの顔」より

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