実は自民党員だった26歳芦屋市長 選管を当惑させた「覆面ポスター」の意図とは?

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“違反かどうか分からない。調べます”

 当選後、各メディアは一様に清廉潔白で頭脳明晰、しがらみのない新市長だと言わんばかりに報じたが、果たしてそうなのか。実は選挙戦で、高島氏は知られざる「もう一つの顔」をのぞかせていたのである。

「それこそ一軒家の塀とか喫茶店の入口とか、芦屋のいたるところにポスターが張られていましたよ」

 そう振り返るのは、さる市政関係者だ。

「選挙管理委員会に定められたポスター掲示場は、市内に152カ所あったんですが、それを超える勢いで張ってありましたから、対立陣営の支持者から選管に“選挙違反じゃないか”との訴えが相次ぎました。担当者は“芦屋の市長選では過去に例がなく、違反かどうか分からない。調べます”という反応だったそうです」

 公職選挙法を熟知しているはずの選管が当惑したのもうなずける。なぜなら、市内に多数張られた高島氏のポスターは、掲示板に張られた選挙用のモノとは大きく異なっていたのだ。

隠されたメッセージ

 さる地元市議によれば、

「件のポスターは2種類で、一つは高島氏の弟さんの顔写真と名前がデザインされたもの。もう一つは、高島氏と思しき人物のシルエットとQRコードがデザインされていた。この二つは大概セットで目立つように張られていたね」

 一つめのポスターをよく見ると、〈ワンチーム芦屋 代表 高島しゅうすけ〉という表記があるが、ここに隠されたメッセージがあるという。

「候補者本人の名前は『りょうすけ』で、弟さんは『しゅうすけ』と2文字違い。有権者に『高島』の名前を印象付ける狙いがあったのでは。もう一つのシルエットが描かれたポスターはもっと露骨で、QRコードをスマホで読み取れば、高島氏の公式サイトに誘導される仕組みでした」(同)

 公職選挙法では、候補者本人を類推させる文書図画は、指定場所の公設掲示板以外に掲示してはならないと定められている。こうした規制が無ければ、豊富な資金力やマンパワーを誇る候補が掲示物を乱立させ知名度の面で有利となり、選挙の公平性が保てなくなるからだ。

 兵庫県選管に確認すると、

「ポスターから特定の候補者氏名が類推されるかどうかという観点で考えれば、今回のケースは2種類セットで張られていても、あくまで〈ワンチーム芦屋〉の代表者の名前やシルエットが印刷されているだけで、候補者本人の名前が書かれているわけではありません。QRコードについても、それだけでは候補者本人を類推できないとした前例がありますので……」

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