最大派閥「清和会」、決まらない“ポスト安倍”に森元総理も迷走 筆頭候補・萩生田政調会長には「本当に領袖が務まるのか」の声

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 自民党の最大派閥「清和会」が5月16日、都内のホテルでパーティーを開くことがわかった。「清和会」といえばもちろん、昨年、銃弾に倒れ帰らぬ人となった安倍晋三元総理が領袖を務めていた、いわゆる「安倍派」。所属議員は今や100人を超える党内最大派閥として君臨するが、安倍氏の死去以降、いまだに新しい領袖が決まらない“異常事態”が続いている。そうした最中に開かれるパーティーとあって注目が集まっているが、その一方で、領袖候補の一人と目される萩生田光一氏が、東京15区の候補者選定をめぐって、周囲を困惑させているという。

細田さんにもう一回

 政治部デスクが言う。

「安倍元総理が亡くなって以降、清和会は、会長代理の塩谷立元文部科学大臣がまとめ役を担っているものの、決して“塩谷派”というわけではなく、大臣経験者や党の役職を務める、有力幹部らによる集団指導体制が敷かれています」

 有力幹部とは、高木毅国会対策委員長、西村康稔経産相、松野博一官房長官、世耕弘成参院幹事長、萩生田光一政調会長の5人のこと。

「この5人のうち、次の領袖候補として特に野心をちらつかせているのが、西村氏、世耕氏、そして萩生田氏なのですが、三者とも、安倍さんのような圧倒的なカリスマ性はなく、いまいち決め手に欠ける。誰が領袖になったとしても、袂を分かとうとするグループが生まれ、清和会が空中分解してしまうのではないか、と言われています。だからこその集団指導体制なのですが、来年には総裁選が控えている。このままでは最大派閥でありながら、前回・前々回と同じく独自候補を擁立できない危険性もある。果たしていつまでこの状態を続けるのか」

 かつて清和会の領袖を務めた森喜朗元総理大臣も、この問題には頭を悩ませているという。

「安倍さん不在の中、重鎮として森さんの存在が大きくなっており、ポスト安倍についても“森さんの決定なら従う”という雰囲気も派閥内にはあるにはある。でも、森さん自身もこの候補者たちでは力不足だと感じている。また、新たな領袖が決まった時に起こりかねない派閥の分裂に危機感を抱いており、責任も取りたくないため、判断を渋っているんです。最近では、“(衆院議長を務める)細田(博之)さんにもう一回領袖をやってもらうのがいいんじゃないか”とぼやいているそう。たしかに衆院議長を辞して党籍復帰すれば“再登板”は可能ですが、ただ、細田さんも歳ですし、何より“細田派”に戻しても結論を先送りにするだけで、根本的な解決にはなりませんからね」

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