秋田コンクリート詰め事件、「風俗店勤務の女性」は闇金に借金か 死体遺棄の舞台裏

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 5月9日、秋田県の私有地で、地中からコンクリート詰めになった状態の変死体が発見された。警視庁は見つかった遺体が約2年前から行方不明になっていた女性のものとみているが、彼女はどのようにして事件に巻き込まれたのか――。

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 現場は秋田駅から北に向かう奥羽本線・追分駅の先、ちょうど男鹿半島の付け根である。奥羽本線の東側、複数の民家が軒を連ねる脇にうっそうとした雑木林が広がる。そこに今月8日朝、重機をともなった捜査員たちの姿があった。

 少し足を延ばせば、明治時代から知られる、かつて日本有数といわれた大油田がある。古来、石油がにじみ出て川が黒く染まり、近くには「黒川」という地名もあるほどだ。それから長い時を経て、その地から噴出せんとしているのはまさに“ドス黒い”闇である。

暴力団関係者が主犯か

 同日、捜査員がその一帯を掘り返し、探していたのは、失踪していた女性の行方だった。

 捜査関係者が言う。

「被害者は2021年6月に失踪していた愛知県在住の当時40代後半の女性だとみられています。突然いなくなったことを案じた息子が都内の警察署に相談し、捜査が行われてきました。被疑者は複数人いるとされ、すでに別件で服役中の暴力団関係者が主犯と目されています。また、捜査員が掘り返した秋田の土地は失踪後に関東近郊在住の別の女性が購入しており、関連を調べています」

風俗店に…

 しかし、これほどの大規模捜査に至るには紆余曲折があった。

 当の息子がネット上で母の一件を訴え出ていたのである。

 社会部デスクによれば、

「失踪した約1カ月後に、息子がツイッターアカウントを開設し、“母を探しています”と情報提供を呼び掛けたのです」

 息子の母親は21年、仕事に加え、アーティストのライブを見に行くためと言って上京。都内のホテルをチェックアウト後、埼玉県を訪れたのが確認されたのを最後に行方がわからなくなっていた。

「彼女は10年以上前に闇金からの借金があり、失踪直前には埼玉と都内の風俗店に勤めていたとされます。そうした仕事関係のトラブルに巻き込まれていないか、捜査が進んでいます」(同)

 実は失踪直後、息子は捜索願を出すも、なかなか捜査に着手してもらえず、警察へのイラ立ちをツイッターに投稿していた。しかしその後、ネット上で多くの情報が寄せられ、捜査も進展したのか、そうした書き込みはされなくなった。

 息子の怒りに背中を押され、ようやく動いた警視庁。異様な事件の捜査はまだ緒に就いたばかりである。

週刊新潮 2023年5月18日号掲載

ワイド特集「新緑の便り」より

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