とにかく明るい安村、なかやまきんに君… 第7世代とは逆を行く「裸一貫芸人」躍進の理由とは?

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 海外で大成功、というとかつてはアーティストや俳優の話だったが、お笑い芸人の勢いがすごい。

 先日はとにかく明るい安村さんが、「安心してください、はいてますよ!」のネタで「ブリテンズ・ゴット・タレント」で喝采を浴びた。辛口の審査員をして「この1年で最も面白い出場者」と言わしめていたほどだ。

 また、「アナザースカイ」は、なかやまきんに君に密着。思い出の地・ロサンゼルスで「マッスルキャンディゲーム」なるネタを英語でやり切り、観客の心をつかんでいた。

 どちらも体ひとつの挑戦で、持ちネタとしての鮮度は正直低い。けれども思わず笑顔になってしまうのはなぜだろう。それは彼らの不器用な一本気さに、心打たれる人が多いということではないだろうか。

 二人とも芸歴は長く知名度もあるが、バラエティーのMCを務めるほどのリーダーシップはない。かといって、ワイドショーのコメンテーターになるようなそつのないトークができるタイプでもない。目立つ賞レースの実績があるわけでもなく、安村さんはR-1の決勝で惜しくも敗退している。

 一方でここ数年は、第7世代と呼ばれる若手がきらびやかに登場し、お笑い以外の道でも八面六臂(ろっぴ)の活躍を見せていた。音楽やファッション、俳優業に執筆活動。どんなに面白くて業界ウケは良くても、お茶の間に知られていなければ意味がないというのは正しい。ただそうした風潮のなかで、裸一貫で昔からの持ちネタをやり続ける頑固さというか不器用さは、一周回って新鮮に映る。安村さんらが氷河期世代に当たることもあって、目立たずとも地道に芸をやり続ける彼らの姿に、自分を重ねた視聴者も多かったのではないだろうか。

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