衆院議員「堀井学さん」インタビュー「カツラを着けたら世界が変わりました」

国内 社会

  • ブックマーク

Advertisement

 かつてスピードスケート選手として活躍し、1994年のリレハンメル五輪では銅メダルを獲得。現役引退後は政界に身を投じ、現在は衆議院議員を務める、堀井学氏(51)。その名前を聞いてすぐ、トレードマークとも言える、つやつやと輝くスキンヘッドを脳裏に浮かべる向きも多かろう。しかし、それも今は昔。堀井氏は昨年から、カツラを着用し、さまざまなヘアースタイルを楽しんでいるというのだ。選挙で勝つためには、顔を覚えてもらうことが何より大切とされる政治家が、ガラリとイメージチェンジをした理由とは――。ご本人に話を伺った。

 ***

 インタビューを行ったのは、東京・銀座にあるカツラ専門店「i-three」。数々のウィッグやカツラが並ぶ一室にふらりと現れたのは、ロングヘアーに、日焼け顔が若々しいスーツ姿の男性。一瞬、スタッフの方が入ってきたのかと思ってしまったが、その男性がおもむろに後頭部の髪の毛を両手で持ち、ペリペリと“頭皮”を剥がしていく。あっという間にスキンヘッドになった男性は、間違いなく、元スピードスケート選手で、現在衆院議員を務める、堀井学氏(51)、その人だ。

不毛地帯が……

堀井学衆院議員(以下、堀井) (とり外したカツラを愛おしむように撫でながら)本当に、本当にこれは、僕にとっての相棒なんですよ。人生を変えてくれた、かけがえのない存在です。

――堀井さんといえば、スキンヘッドがトレードマークと思っている人が多い。そんななか、なぜカツラを着用しようと思ったのか。

堀井 高校生くらいから、薄毛が気になり始めていたんです。周りからも、「お前、将来禿げるぞ」と言われ続けていて。その予言は残念ながら当たってしまい、実際、額は徐々に後退し、さらに、後頭部にも円形のサークル状の不毛地帯が発生。徐々に拡大していったのです。前からも、後ろからも、どんどん攻められていって。もちろん、抵抗しましたよ。毛根の脂を取るための粉シャンプーとか、中国でしか入手できない毛生え薬とか。50種類以上の育毛剤や育毛方法を試しました。それでも、瞬く間に、私の毛髪は失われ続けました。それで、24歳の時、決断をしたんです。残された僅かな髪を剃り、スキンヘッドにしようと。

次ページ:浸透した“誤解”

前へ 1 2 3 次へ

[1/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。