衆院議員「堀井学さん」インタビュー「カツラを着けたら世界が変わりました」

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浸透した“誤解”

――堀井さんがスキンヘッドにしているのは、スピードスケート選手として、スピードを出すために、少しでも空気抵抗を減らすため、と思っていたが。

堀井 それは、メディアの皆さんが、勝手にそう思って下さっていたのです。スキンヘッドにした翌日に、ワールドカップで世界記録を出したということもあって、皆さんそのように解釈して、それが自然に、浸透していったのです。それを僕の方から、「違うんです」と否定するのも変じゃないですか。

――当時、カツラという選択肢は考えなかったのか。

堀井 ありましたよ、もちろん。床屋さんでも勧められました。でも、値段を聞いて、驚きました。大手のカツラメーカーさんのもので、当時、200万とか、とんでもなく高額なんですよ。それを聞いて、すぐにその選択肢は、頭から消えました。

――そこからずっとスキンヘッドの生活に。

堀井 そうですね。結婚したのも、スキンヘッドにした後なので、妻も子供も、私に髪の毛があった頃のことを、写真でしか知らないんですよ。子供が小さい頃、保育園で、父の日か何かに、私の顔を描いてくれたのですが、先生が「お父さんそっくりによく描けていますね」と褒めて下さって。絵を見ると、当時は肌色と言いましたが、うすだいだい色に塗られた円に、目と口が描かれていて。毛髪のある他のお父さんと違って、すごくシンプルで、確かによく似ていましたね。

 いずれにせよ、選手を引退し、政界に入ってからも、ずっとスキンヘッドで過ごしました。

ウォータースライダー

――それがどうして、カツラを着用しようと?

堀井 2021年の11月に、たまたま、「カツラTV」というYouTube番組を目にして。初めて最新のカツラのことを知ったのです。i-three製のカツラを着用した方が、ウォータースライダーを滑るのですが、最後までカツラが取れないんです。「なんだこれは、すごい!」と思って調べると、技術革新があり、価格も随分安くなっている。だいたい、一つ、15~20万円くらいです。これなら手が出せると思いました。ただ、大幅なイメージチェンジにもなる。批判を浴びるかもしれない。そんな不安を妻に相談したところ、「いいんじゃない?」と。その前向きな一言に決心がつき、それで早速、なんのアポイントもなく、ここ(i-three)に押しかけて「カツラを売ってください!」と(笑)。

――さすがのスピード感。

堀井 とはいえ、当然ながらその日にできるわけではありません。型を取ってもらって、カウンセリングもして。制作には2ヶ月ほどかかりました。年を越して、2022年の2月に出来上がり。きれいにセットしてもらって、街に出た時は、まるで別人になったような気分でした。

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