高校時代の元カノが親友と結婚 ところが、その後のあり得ない展開に日々悩む50歳夫の本心

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 昔好きだった人と、いつの間にか疎遠になることはよくある。長い年月がたって再会して、恋心も再燃する。そのとき、危険な道を行くか引き返すかは人それぞれだ。熟慮して飛び込む人もいれば、何も考えずに突っ走る人もいるだろう。立場を考えてさっさと撤退する人もいるはずだ。

「恋しい」という気持ちは強い。自分で自分を止められないこともある。そして、倫理観やプライドなど吹っ飛んでしまうのが「恋」でもある。

 栗林和宣さん(50歳・仮名=以下同)は、自身の複雑な恋愛感情に今も悩んでいる。

「ここまで人を好きになる気持ちに振り回されてしまうのは僕が未熟だからなのか、あるいは今までの人間関係の構築が間違っていたのか」と日々考えているそうだ。

 和宣さんは、西日本の穏やかな町で産まれ育った。高校時代はサッカー部でキャプテンを務めた。そのときのチームメイトで無二の親友である将太さんとマネージャーだった朋美さん、そして和宣さんの妻である茉希さんの4人の関係が今、複雑に交錯しているのだという。

「高校時代、僕とマネージャーだった朋美がつきあっていたんです。とはいえ当時の高校生ですから、せいぜい休みの日に映画を観に行ってお茶するくらい。3年生の夏休みに花火を見に行って、帰りに一度だけキスをしました」

 そう言って、和宣さんは照れた。親友の将太さんも、ふたりの恋を応援してくれていた。だが、東京の大学を目指していた和宣さんは、その後、朋美さんとの関係を進めることなく、受験勉強に明け暮れた。

 結果、和宣さんは東京の大学に進学、将太さんは地元近くの大学へ、朋美さんは地元から少し離れた大学へと3人はバラバラになった。

「それでも僕は朋美とつきあっていくつもりでした。1年生のゴールデンウィークには地元に帰って彼女とデートも重ねた。やっぱり体の関係はありませんでしたが、夏休みも地元でアルバイトをしながら朋美と過ごした。これで僕らの関係は盤石だと思っていた」

 ところが終わりかけていたとはいえ、東京はまだバブルの余韻真っ最中。大学生だった和宣さんも、当時のイケイケな空気に乗り、遊び仲間とつるむようになっていった。東京のほうがアルバイト代が高いため、その年の冬休みは帰省せずにバイトとスキーで楽しんだ。

「当時は携帯電話もありませんし、僕のアパートには留守電もなかった。だんだん朋美との関係が薄くなっていきました。どこかでそれもしかたがないと思っていたのかもしれません。東京の生活は刺激的で楽しかったから」

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