違法駐車、飲酒運転が当たり前! 外国大使館の「違反金踏み倒し」ワースト1位はどの国?

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 ピカピカのランドセルを背負った子供たちが通学する季節がやってきた。交通事故を心配する親御さんも多かろうが、街中を我が物顔で走る「外交官ナンバー」の脅威をご存じか。この問題を長年取材してきたジャーナリストが告発する「外交特権」の実態である。【知野雄介/フジテレビ報道局社会部デスク】

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 きらびやかな高級ブランドショップやレストラン、ラグジュアリーホテルが軒を連ねる東京・六本木。都心でも指折りの一等地周辺には大使館が多く、各国の外交官らが使う車両の路上駐車が目につく。

 なぜ外交官の車と分かるのかといえば、彼らは日本政府から「外交官ナンバー」のプレートを割り当てられているからだ。プレートの塗装は一般車とは異なり「青色」で、数字の前にある「外」という頭文字がひときわ異彩を放っている。

 もちろん外交官ナンバーを付けた車でも我々と同じく違法な路上駐車をすれば、「駐車違反」と書かれた黄色のステッカーが駐車監視員によってフロントガラスに貼られる。

 だが、六本木の飲食店前の大通りに堂々と放置駐車していた南アジアのナンバーの運転手を直撃すると、

「だから何? そこで食事していたんだ。で? 安全じゃないのは分かっている。気にしないね、駐車場がないのだから」

 と、まったく悪びれる様子はない。

 さらに食い下がって質問すると「名刺をよこせ! 訴えてやる!」とすごんでくる有様だった。

日本における最強の特権とは

 これまでわれわれの取材班が独自に報じてきた「外交官ナンバー問題」では、日本に集うさまざまな国の大使館を取材することとなったが、特に目立ったのが、「外-79○○」というナンバーで識別できるロシア大使館に関係する車両の“無法ぶり”である。

 その仔細に触れる前に、なぜ日本で「外交官ナンバー」を付けた車が我が物顔で街を闊歩しているのか。その力の源泉について触れておきたい。

 この世の中にはいい悪いは別としてさまざまな「特権」が存在する。いわゆる「ガーシー議員問題」で注目された「国会議員の不逮捕特権」もその一つだが、我が国において“最強”といえるのは「外交特権」だろう。

 国会議員は「会期外」「許諾請求」などで逮捕されてしまうが、日本に駐在する外国の外交官はウィーン条約により原則、逮捕されないし、刑事だけでなく民事でも裁判にかけられることはない。

 日本国内にありながら、警察をはじめとする司法当局は外国の大使館などに立ち入ることはできないし、外交機密として国外から何でもノーチェックで持ち込める。鉄壁の不可侵権と治外法権で守られているのだ。

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