「何てかわいそうな結末…」 台湾で勃発した「脱走ヒヒ騒動」

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懸命に生き延びようとするヒヒを見守っていたが……

 日本で「スッキリ」(日本テレビ系)の「ペンギン池落下事件」が話題になったが、台湾でも動物に関する騒動が発生していた。本来は現地に生息しないヒヒが目撃され、大規模な捕獲作戦が展開されたのだ。動物の捕獲劇は日本でも珍しくないが、所有者不明のまま“射殺”されるという結末と関係者たちの泥仕合が、台湾社会に大きな衝撃を与えている。

 ヒヒが目撃されたのは台北市の西、桃園国際空港が位置する桃園市。3月10日頃に最初の出現が確認され、その後はSNSなどでその姿をとらえた動画も公開された。次第に台湾メディアの報道が増えたことで、「桃園のヒヒ」は一躍全国区になる。

 メディアが伝えたヒヒの姿は、道路を全速力で走ったり盗んだ果物を頬張ったりと愛嬌たっぷり。獣害を防ぐための注意喚起も行われたが、人間に危害を加えた報告はなかった。結果、人々はヒヒを好意的に見守り始める。同時に、ヒヒの所有者が“不明”という事実も注目された。飼育に許可が必要な野生動物のため、無許可飼育は最高約21万円の過料が科される可能性があるからだ。

 一方で現地では、桃園市の担当部署と新竹県の「六福村テーマパーク」による捕獲作戦が進行していた。しかし失敗が続き、「桃園のヒヒ」はますます注目される。事態が急転したのは27日。猟師が放った散弾で、ヒヒが命を落としてしまったのだ。

 後味が悪い幕切れは、ヒヒを見守っていた人々に大きな衝撃を与えた。ネット上に悲しみと怒りの声が飛び交う中、浮かび上がった疑問点と関係者の発言が新たな騒動の火種になる。

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