「あなたはまだ若い。やり直せる」離婚を切り出した18歳年上の妻、夫はその後も浮気を続け土下座させられ…ついに出た本音

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「謙佑さんに襲われた」

 ところが数週間後、優香さんの夫が教室に怒鳴り込んできた。あれからふたりは三日にあげず会う仲となっていた。教室で、あるいは優香さんの車の中で、人目を忍んで関係を続けていたのだ。

「将来がどうとか、そんなことは考えてもいなかった。ただ、優香とひとつになっていたいだけ。獣みたいでした。相性がよかったんでしょうね。女性が乱れてくれると僕は心を許してくれている気がしてうれしいんです。保菜美は性的に乱れたことが一度もない。僕にはそこが不満でした。ただ、こういうことは言ってどうにかなるものでもないし」

 優香さんの夫は、様子がおかしい妻を問い詰めた。すると妻は、謙佑さんに襲われたといったのだそう。嫌だと言うのに何度も待ち伏せされた、と。警察沙汰にすると息巻く夫に「同意のもとです。奥さんに、本当のことを正直に言ってほしいと伝えてください」と謙佑さんは淡々と言った。優香さんに裏切られたことがショックだった。

 だがそれ以上にショックだったのは保菜美さんだろう。その話はあっという間に噂になり、カルチャーセンターの仕事はなかったことになった。絵画教室も、「謙佑さんがいるなら辞める」という声が上がった。

「離婚したいならするよと言ったら、妻が『あんたを自由にはさせない』と。それ以来、僕は人前には出ずに裏で仕事をしたり畑仕事をしたりしていました。それでも周りの人の見る目は厳しかった」

 そんなとき、保菜美さんの父親が倒れたという連絡が入った。弟一家が近くに住んでいるし親戚も多いので、人手が足りないわけではないが、保菜美さんの母親は娘を頼った。

「近くにいてくれないかなと母が言ってる。どうすると保菜美から言われて悩みました。僕が28歳、保菜美が46歳のときですね。そのころ、僕と保菜美の間にはもう男女関係はなくなっていた。『あなたはまだ若い。今からでも人生をやり直せる。若い人と結婚して子どもももてる。もう私から離れていいのよ』と保菜美はしみじみ言いました。でも高校生時代から僕を救い続けてくれた彼女と、ここで別れるなんて考えられなかった。僕にはきみが必要だと言いました。彼女は『わかった』と」

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