兵庫・コーンロウ問題で茂木健一郎氏は「クソみたいな教師」「恥を知れ」…筑波大教授が指摘する“問題の本質”とは

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批判の理由

 激しい議論は、今も現在進行形で行われている。SNSで話題になっただけでなく、メディアも記事を配信した。

◆「クソみたいな教師」「恥を知れ」 コーンロウ生徒を卒業式から隔離...高校対応に茂木健一郎ブチギレ(J-CASTニュース:3月28日)

◆茂木健一郎氏「クソみたいな教師」発言が大炎上…ブラック校則改善の気運に冷や水(日刊ゲンダイDIGITAL:3月29日)

 興味深いことに、上で紹介したJ-CASTニュースの記事がYAHOO!ニュースでも配信されると、コメント欄で筑波大学教授(災害・地域精神医学)の太刀川弘和氏が議論の過熱化を諫める投稿を行ったのだ。ここでは結論部分だけを引用させていただく。

《最近のSDGsや生物多様性に関する議論はどうも極端で、情報の一部を切り取って報じたり、みかけの平等や正義を声高に主張する意見が多く、そのことがかえって意見の多様性やバランスの取れた価値観を阻害しないか危機感をもっています》

 どのような想いから投稿を行ったのか、太刀川氏に改めて取材を依頼した。

「毎日新聞の記事を読み高校への対応に憤りを感じる人は、『文化の多様性』を重視していると考えられます。『コーンロウ』という髪型は黒人文化に根ざしたものであり、それを高校が安易に否定することは民族の特性を否定することにつながりかねない。校則という学校が設定したルールに阿(おもね)りすぎると、異文化の排除を招きかねない、という指摘です。それ自体は一つの見識として尊重されるべきであることは言うまでもありません」

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