全土で抗議デモ、富裕層はシンガポールへ移住…嫌われる中国共産党の統治スタイルに逆行する動きが

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「寝そべり幹部」の増殖

 共産党内における習氏の基盤は盤石 に見えるが、「寝そべり幹部が増殖している」との指摘がある(2月8日付ニュースソクラ)。政府の各部門の幹部たちは1960年代の生まれがほとんどで、毛沢東時代の個人崇拝を毛嫌いしている。このため、毛氏のやり方を強引に踏襲しようとしている習氏に対し、幹部の多くは面従腹背に徹し、実質的には何もしない「寝そべり」族になっているわけだ。

 香港の各種メデイアによれば、香港特別行政府が深刻な人材不足に陥っている。

 中国共産党の統治スタイルが嫌われ、海外に移住する公務員が後を絶たない。香港政府は海外人材の獲得に躍起だが、人材難は当分解消しない見通しだという。

 慣れ親しんできた統治制度を抜本的に見直すことは困難だ。だが、そうしない限り、中国の体制の危機が一気に進んでしまうのではないだろうか。

藤和彦
経済産業研究所コンサルティングフェロー。経歴は1960年名古屋生まれ、1984年通商産業省(現・経済産業省)入省、2003年から内閣官房に出向(内閣情報調査室内閣情報分析官)。

デイリー新潮編集部

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