葬儀場の職員が、亡くなった「女子高生」の胸を…被害者の母は涙ながらに「娘のお墓に土下座してほしい」

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葬儀まで連日、遺族と顔を合わせていた被告

 蒲田署からの一報を受け、Aさんの母が家族にこれを伝えたところ、皆が皆、葬儀場のスタッフの中で篠塚被告のことだけを記憶していた。「スーツもシャツもヨレヨレで靴が汚かった」とAさんの叔母が言えば、祖母は「深爪だったのに爪が汚れていた」と続ける。「それってやっぱりどこか何か変だったのかなと、今になって思います。私に対しては、愛想が良すぎて、ニコニコしすぎている人とは感じていました」(Aさんの母)と振り返る。

 動画の撮影時刻から、犯行は湯灌の直後であることが分かっている。故人が成仏し来世に導かれるよう、現世の汚れを洗い流す儀式だ。清められたAさんの身体に、篠塚被告の汚れた手が触れたことになる。

「本当に考えたくないことなんですけど、娘のプライベートな部分に一番最後に触ったのが、娘と生前なんの縁もゆかりもない“知らないおじさん”だったのかと思うと、絶対に許したくないし、娘のお友達にも知られたくないです。私は葬儀の日まで1週間、葬儀場に安置されていた娘に毎日会いに行っていたんですが、篠塚被告は初日に犯行に及んでおきながら、どんな気持ちで毎日私と顔を合わせていたんだろうなって思います」(同)

遺体へのわいせつ目的の行為は罪にならない

 ところで、遺体にわいせつ行為を働いたにもかかわらず、なぜ強制わいせつ罪や、死体損壊罪ではなく、建造物侵入での逮捕なのか。性犯罪被害者支援を主に手掛ける川本瑞紀弁護士はこう解説する。

「遺体への姦淫行為、つまり死姦については、昭和23年の最高裁判決で『死体に対する侮辱行為、例えば死姦は損壊ではない』と判断されています。死体損壊の『損壊』行為は刑法上、物理的な損壊のみを指します」

 日本では遺体へのわいせつ目的の行為は罪にならないのだという。したがって、死体に接触する目的で、葬儀社の管理する建物に入ったという「建造物侵入」での逮捕起訴となったようだ。これには大きな問題がある。建造物侵入での起訴となれば、「あくまでも建物の管理権者である葬儀社が被害者ということになり、お嬢さんやご遺族が被害者にならない」(同)のだ。

「被告が撮影していたから犯行動画が残っていましたが、そうでなければ“死人に口なし”案件です。女性はゆっくり死んでもいられないんだと思わされました。私もこれまでに見聞きしたことのない事案です」(同)

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