麒麟・川島、山里亮太…「じゃない方」芸人ばかりが朝の顔を席巻するワケ

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 朝の顔は、今や芸人たちの独壇場だ。TBS「ラヴィット!」の麒麟・川島さんに続き、加藤浩次さんが17年担当した「スッキリ」の後番組は、同番組の「天の声」でおなじみだった南海キャンディーズ・山ちゃんがMCを務めるという。さらにフジテレビは昼のバラエティー番組「ぽかぽか」MCにハライチを起用。

 しかし今は、彼らの時代である。むしろ紆余曲折を経て、大人の対応ができる安心感さえうかがえる。日中のワイドショーに抜てきされる理由というのは、まさにそこではないだろうか。ハライチ・岩井さんは企画内で坊主にされたりしていたし、山ちゃんも相方の静ちゃんに対する嫌がらせを認めて公開謝罪したことがある。理不尽なイジリや恥をかきまくって、それでも這い上がってくる頼もしさと、売れっ子になってもお利口になりすぎない反骨精神。人気芸人でありながらも、不遇な過去と痛みを忘れない姿勢は、いま最も共感と尊敬を集めるのではないだろうか。

 かといってがむしゃらに自分色に染めていくタイプではなく、周りを見てパスが投げられるバランスの良さも共通している。川島さんはそつのない対応で「上品」と言われることもあるが、それだけにバラエティーでは爆発型の芸人たちを立てるようなポジションも多かった。場の中心にもなれるのに、縁の下の力持ちとなることもいとわない奥ゆかしさはまた、やはり山ちゃんや岩井さんにも通じる能力のように思うのだ。

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