麒麟・川島、山里亮太…「じゃない方」芸人ばかりが朝の顔を席巻するワケ

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陽キャだらけの「王道」の朝番組は時代遅れ? 社会を映すMC人選の変化

 朝番組の人選もまた、「王道」は時代遅れに見えるようになってきた。例えば、お金の使い方も言葉の選び方も豪快な熟年男性MCと、ミスコン覇者の女子アナといった「陽キャ」「人生の勝ち組」たちが大笑いする進行には胸焼けしてしまう。そういう視聴者も増えたはずだ。番組が社会を切り取るのではなく、MCの人選こそ社会を映す鏡になっているのかもしれない。多様性とよく言われるが、「王道」以外の選択肢を、説得力をもって体現してくれる人にかかる期待は大きい。

 とはいえ川島さんも岩井さんも山ちゃんも、もう「じゃない方」でもないし、そう呼ばれた時代のキャラを引きずってはいない。場の空気や人を見る目は相変わらず鋭く、瞬時に刺さる言葉も選べるが、今はその力を明るくしたたかに使おうとしている姿勢を感じる。「変化できること」を選ぶ柔軟性や前向きさもまた、朝の顔にふさわしい。

 ただ朝番組やお昼のワイドショーは、笑いを取ることよりも視聴率を取ることが大命題。波風を立てない振る舞いが最も重要視される。新MC陣の持ち味たるアクと繊細さが雑に消費されないか心配でもあるが、きっと彼らのこと、どの時間帯でも「王道」以外の痛快な進行を見せてくれることだろう。

冨士海ネコ

デイリー新潮編集部

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