『大宰府主婦暴行死事件』主犯の「女帝」獄中死に「逃げてんじゃねぇよ」 “元交際相手”の共犯が手紙で初めて明かした複雑な胸中

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「私の遺影用に……」

 受刑生活を送る岸受刑者には、ひとつ目標があった。それは“山本元受刑者より1日でも早く出所できるよう努力する”ことだった。だが、いきなりその目標を失ったことで、<正直、ちょっとキツイですね>と、こぼす。

 その一方、<これから送る長い受刑生活の中で、自らが犯した罪の重さを知って反省し、被害者や遺族の方々に償いをし、その上で自ら伝えるべき言葉があるだろう。死んで逃げてんじゃねえよ>と、強い怒りも感じている。そして最後にこう振り返った。

<生き急ぐように他人にかける迷惑を一切気にしない無茶苦茶な生き方をし、どこか生きるのを諦めたようにあっけなく死ぬ。最後の最後まで自分勝手な人で、残された者達からすると迷惑極まりない話ですが、私個人としては……そんな方法でしか自分を表現できない不器用な人生を送った山本さんを少し憐れに思います>

<それに、逮捕される3ヶ月程前には『私の遺影用に』と言いながら息子に写真を送ったりしていたので、もしかしたら、自分の死期が分かっていたのかもしれませんね。やり残したことを一気にやっている感じがしていましたし……。ただ、そういうことは自分のお金でやるべきなんですけどね>

高橋ユキ(たかはし・ゆき)
ノンフィクションライター。福岡県出身。2006年『霞っ子クラブ 娘たちの裁判傍聴記』でデビュー。裁判傍聴を中心に事件記事を執筆。著書に『木嶋佳苗劇場』(共著)、『つけびの村 噂が5人を殺したのか?』、『逃げるが勝ち 脱走犯たちの告白』など。

デイリー新潮編集部

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