『大宰府主婦暴行死事件』主犯の「女帝」獄中死に「逃げてんじゃねぇよ」 “元交際相手”の共犯が手紙で初めて明かした複雑な胸中

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全く知らなかったので、正直かなり驚いています……

 こうした行状が高畑さんの死により明るみに出たことで、山本元受刑者は岸受刑者とともに逮捕され、21年12月に福岡高裁で懲役22年の判決が確定した。そして、<太宰府の女帝>なる異名もあった山本元受刑者の死亡が報じられたのは昨年11月。しかし実際に命を落としたのは、昨年8月のことだったという。収容されていた佐賀県の麓刑務所で昨夏、新型コロナウイルスの集団感染が発生し、山本元受刑者も感染。体調を崩したまま死亡したのだった。

 受刑生活が始まってから1年も経たないうち、この世を去った山本元受刑者。この事実に複雑な思いを抱えている人物がいる。事件の共犯として懲役15年の判決が確定し、現在も服役中の岸受刑者だ。筆者とは文通を始めて2年になる。

 山本元受刑者死亡の報を受け、すぐにその旨を書き送ったところ、直後の返信には<全く知らなかったので、正直かなり驚いています……>と、死後3ヵ月が経っても、その事実を知らされていなかったことが明かされていた。それから2週間後に改めて届いた手紙には、未だ混乱する様子が見てとれた。

<最初、高橋さんからのお手紙内に『山本美幸さんが亡くなった』と書いているのを目にした時は、心が一度に受け止められるストレスの容量を超えた為、脳が目から入る情報を拒否したのか目線が文字の上を素通りするだけで読むことが出来ず……。何度も見返すことで何とかその意味を理解することが出来ました>

胸に穴が空いた様な悲しみ

 山本元受刑者が住んでいた太宰府のアパートでは、高畑さんの前にも別の女性Aさんが不審な死を遂げている。これは事件化されていない。岸受刑者は、仕事先でたまたま出会ったAさんに連絡先を伝えたところ、なぜか山本元受刑者から電話があり、食事に誘われたという。これが2人の関係の始まりだった。それ以降、岸受刑者もAさんと山本元受刑者の住むアパートに同居することになる。

 岸受刑者自身は山本元受刑者と恋愛関係にあったことを否定している。とはいえ、長年生活を共にしたうえ、同じ事件で有罪判決を受けた者として、複雑な思いがあるようだ。

<約4年間生活する中で本当に様々なことがあり、正直私は山本さんに対し『早く死んでくれないかな……そうすれば、周りの人がどれだけ助かることか……。そして、死ぬなら出来る限り苦しんでほしい』とまで願い、今回の事件によりその気持ちは、より一層強くなりました。なので、今回の山本さんが亡くなった知らせは私にとって嬉ばしい瞬間のはずなのですが、最初に感じたのは、何ともいえない悲しみでした>

<最も忌むべき存在である山本さんが亡くなったことに対し、最初に悲しいと感じるとは思っていなかったので、正直かなり驚きました。ですが、一言で『悲しい』といっても、大切な人やペットを亡くした時に感じる胸の内側をえぐられた様な『涙の出る悲しみ』ではなく、喪失感のように『胸に穴が空いた様な悲しみ』に近く、数日経った今でも、フワフワやモヤモヤといった言語化するのが難しい様々な感情に包まれています>

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