「騒動以降、何度も迷惑電話が…」 長野市公園廃止、「国立大名誉教授」夫妻が明かす苦悩

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「あなたとは次元が違いますよ」

 コロナ禍で子供たちは屋内で遊ぶことを余儀なくされていたが、それに乗ずるように市は“公園の利用者が少なくなった”などの理由をつけ廃止を決めた。

 実際、件の公園周辺には10軒ほどの民家が建ち並ぶが、住民に聞くと、

「そりゃ、遊び声は聞こえるけど、気にならないよ。子供がうるさいって大学の先生が言うかね。だったら、なぜ小学校の近くに家を建てたのよ」

 別の住民もあきれて話す。

「コロナ前は地区の忘年会があって、名誉教授に“工学部の先生なんですね。私も仕事が設計屋で、工学系なんです”と話しかけたら、真顔で“あなたとは次元が違いますよ”と言われた。自分から“大学では一番人気”などと口にするような、世間話ができない人。親しい家はないと思うよ」

「威圧的に見えたかもしれない」

 なかなか一癖ある人物のようだが、その言い分を聞こうと住まいを訪ねると、切々と思いの丈を語るのだった。

「大学を退職後、去年の春から自宅でリモートの仕事を始めて、こんなにうるさいんだと気付いたんです」

 そう語るのは、当の国立大名誉教授氏である。14年間苦情を申し立てていたのは夫人だという。

「少子化時代、子供なんだから許すべきだとの意見は正論です。私もそう思います。公園から100メートルほど離れた家で暮らしていたら“なぜ使わせないのか”と思っていたでしょう。私自身、この家に住む前は、他の公園で〈球技禁止〉の看板を見て不思議に思っていたほどですから。けれど、目の前に公園ができて意味が分かりました。ボールの音が激しい時は“こっちにおいで”と子供を呼び、ボール遊びのルールを定めた看板のところへ連れて行き注意します。決して手を引いたりなどはしていませんが、威圧的に見えたかもしれません」(同)

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