6代目山口組の高山若頭・竹内若頭補佐のドライバーも逮捕された「ETCパーソナルカード」事件のてん末

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うっかりミスのはずがない

 愛知県警が今年9月、6代目山口組傘下の2次団体の最高幹部ら9人を逮捕した一件が関係者の間で波紋を呼んでいる。逮捕容疑は暴力団員であることを隠してETCパーソナルカードを作成し、交付を受けてだまし取ったというもの。しかし、いずれも不起訴処分となった。当局の狙いとは何なのか? 元山口組系「義竜会」会長で、暴力団組員の更生を支援するNPO法人「五仁會」主宰の竹垣悟氏が解説する。

 ETCパーソナルカードとは、クレジットカードを取得していない人でもETCが利用できるもの。保証金を納めることで利用可能となり、審査もないとされている。高速道路を利用するうえで今やECTカードは必須アイテムだけに、身分を偽ってでも入手したかったということなのか――。

「そう簡単な話ではありません。逮捕されたのは、6代目山口組傘下の2次団体の若頭や3次団体の若頭補佐ら9人で、中には、6代目山口組の高山清司若頭や竹内照明若頭補佐(3代目弘道会会長)のドライバーも含まれているということでした」

 と、竹垣氏。

逮捕されるようなことはないですね?

 6代目山口組の根幹をなす組織が、こういった形式犯的なうっかりミスを犯すとは考えられず、一体何が起こっているのかと話題になっていたようだ。

「逮捕された9人は、2015~21年にこのカードを取得しました。利用規約には、反社条項、すなわち、“反社会的勢力に属する者およびその関係者は、取得申し込みは出来ない”旨のくだりはなく、“暴力団および同関係者であることが判明した時は、通知することなく同カードの利用を停止することがある”という内容の表示があったということです」(同)

 この規約を文面通り受け止めれば、少なくとも取得は問題ない、ということになる。
しかも、これについては、逮捕者のうちの約半数名が事務局に問い合わせし、「反社がカードを取得した場合、利用停止になることがあっても、警察から逮捕されるようなことはないですね?」と確認していたという。

「実際、“そのようなことはない”と回答をもらい、その会話を録音し保存している者もいるということでしたが、まさかの逮捕だったようです」(同)

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