姉と婚約中に2歳年下の妹と…2人の間で苦しんだ「浮気夫」の12年 翻弄のすえ出した結論は

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紆余曲折を経て…

 紆余曲折を経て、信一朗さんは今年の春から麻奈美さんと暮らしている。佑香さんには、「しばらくひとりになりたい」と告げて家を出た。中学生になった娘には、仕事の都合でしばらく帰れないけど、いつでも連絡してほしいと伝えた。娘は母親譲りの冷たい目で父親を見ていただけだった。

「今度は娘を不幸にする。そう思っています。だけど佑香のいるあの家に帰る気がしない」

 だからといって麻奈美さんと暮らしてすべてがハッピーというわけでもない。12年のブランクはふたりを変えた。さらに当時のそれぞれの思いが澱のようにたまっているのだ。もう一度、麻奈美と人生をやり直したい。その思いはあるが、なかなかうまくいかない現状にもどかしい思いもあると彼は言った。

 信一朗さんと麻奈美さんがよりを戻したことを佑香さんはどうやって知ったのか。もしかしたら本当に麻奈美さんが告げたのではないか。その思いが払拭できず、彼に問うてみた。

「僕にもわからないんです。その可能性も捨てきれないですよね。麻奈美は、佑香が興信所を使ったに違いないと言いますが……。それでも僕にはやはり麻奈美しかいない。そんな気がしています」

 姉妹に翻弄され続ける人生を、彼はこれからも続けていくのだろうか。

 ***

 結局、信一朗さんは姉の麻奈美さんとよりを戻した。妹への復讐に利用された疑惑も抱きつつ「やはり彼女しかいない」という結論に達しているようだ。

 しかし元をたどれば、すべては信一朗さんが撒いた種である。

 佑香さんから誘惑されたにせよ、婚約者の妹に手を出したのは彼の選択だ。人生をやり直したいと強い後悔を抱きつつ、「けっこう浮気をしました」と白状してもいる。根が浮気性なのだろう。本人は否定しているが、亀山氏に彼を紹介した人物の「時間をやりくりして『好きな人』との逢瀬も楽しんでいる男」という評はあながち間違ってはいない。

 麻奈美さんとの再会は3年前で、関係は今日まで続いている。だが今後はどうだろう。麻奈美さんを完璧に信頼していないところをみると、また30代の浮気心が復活する可能性も捨てきれない。ふたたび佑香さんが現れれば、そちらに傾いてしまうリスクもある。

亀山早苗(かめやま・さなえ)
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。

デイリー新潮編集部

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