FA「近藤健介」、巨人“横取り”の現実味 パ球団三つどもえで、6年前の「再現」の余地も

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「秋山争奪戦」とは熱の入れようが違う西武

 西武も近藤とのパイプという点では引けを取らない。今季も試合前には憧れの松井稼頭央新監督をはじめ、西武ナインと談笑するなど、敵チームながらその親密さはかねて話題を呼んでいた。さらに、近藤に関東志向があることはオリックスにはない強みだ。

「今季途中の秋山(翔吾=広島)との争奪戦でも資金難で後れを取った西武だが、森に充てるはずだった複数年契約分が浮き、近藤につぎ込めるようになった。松井監督の新体制になって正捕手が抜けているにもかかわらず、何も手を打たないではフロントがファンに強化の意欲を疑われる。秋山の時とは熱の入れようが違う」(西武担当記者)

 ソフトバンクはオリックス、西武に人脈、立地ともに劣るだけに、豊富な資金力で対抗するしかない。交渉解禁初日にスピード交渉し、藤本博史監督は生電話でラブコールを送った。提示した条件は6年総額30億円とオリックスと同規模で、増額もありそうだ。2度目の交渉では近藤が心酔する長谷川勇也打撃コーチが同席し、球団の魅力をPRしたという。まさに三顧の礼で迎える構えだ。

 しかし、すんなり獲得とはならないワケを、前出の元監督が挙げる。

「ソフトバンクは地元九州出身の選手以外ではFA市場で苦戦してきた。18年オフには西(勇輝投手=阪神)や浅村(栄斗内野手=楽天)の獲得に失敗し、今季途中にも秋山(翔吾外野手=広島)の争奪戦に敗れた。条件面は申し分ないのだが、選手層が厚いため、レギュラーを維持することが他球団に比べると難しい。最近では内川(聖一=前ヤクルト)や松田(宣浩=巨人)と功労者と言えるベテラン選手があっさり戦力構想外とされたこともマイナス材料。競争原理が働いていることを示している半面、厳しい環境がFA選手を遠ざけているのではないか。近藤もおカネだけで落とせるかどうか……」

 今オフにFAで獲得した嶺井博希捕手も沖縄出身であることなどが決め手になった。人気、実力共に球界屈指になったソフトバンクだが、巨人とは違った意味で、球団のブランドが選手への訴求力に直結しないジレンマがある。

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