偏差値は1千万円でいくつ上がる? 「中高一貫校」と「公立コース」どちらがいい? 成田悠輔×藤沢数希 コスパに見る東大合格大作戦

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 子供の教育には多大な費用と時間を要する。限られたリソースでいかに効果的に果実を得るか? 親にとって切実なこの問題を最新刊『コスパで考える学歴攻略法』で「費用対効果」の観点から論じた作家・藤沢数希と、名門・麻布出身で歯に衣着せぬ発言が話題の経済学者・成田悠輔が語り合う。

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――現代政治の問題点を鋭く指摘した処女作『22世紀の民主主義』がベストセラーになり、毒のあるコメントで、テレビ、ネット、ツイッターで大活躍の成田悠輔さんですが、経歴は麻布中学・高校から一浪して東京大学文科二類に合格、経済学部で最優秀卒業論文により大内兵衛賞を受賞。その後、マサチューセッツ工科大学(MIT)でPh.D.(博士号)を取得と、日本人で最高峰の学歴を歩んでいるともいえます。あまり自らの受験体験についてお話しされたことはないと思いますが、小学生の高学年の時に、かなり勉強されたんでしょうか?

麻布の入試問題の特徴

成田 受験ネタには興味ないんですが(笑)、中学受験の時は受験前年の夏前から近所の塾に行った記憶があります。巣鴨だったか、ぼろっちいオフィスビルの2階分を借りてやってる小さな塾でした。半年は通っていたかな。当時は中学受験をする子が今ほど多くなく、3、4年生からみんなが塾へ行くというふうな雰囲気ではなかったです。

藤沢 いやいや、確かに麻布に受かるのは中学受験が過熱している今のほうが大変かもしれませんが、成田さんが受験した90年代も、かなり難しかったことは間違いないですね。「男子御三家」のひとつに数えられる麻布の入試問題の特徴は、国語に顕著ですが、選択式の設問は少なくて、記述の比重がとても大きい。だから、成田さんは勉強しなかったと謙遜されていますが、持って生まれた国語力がそれにピタッとハマって、短期間の勉強で合格されたのだと思います。

成田 大手の有名な塾には行ったことがないし、普通の模試を受けると全然駄目で、その結果からはE判定(=絶望的)みたいな感じでした。ただ、麻布などの実際の問題をみると、なんとなく答えがわかってくる、そんなようだった記憶があります。

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