「慰安婦少女像」撤去運動を行う韓国人たち 「少女像は偽りと憎悪の象徴」活動理由を語る

国際 韓国・北朝鮮

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 現在、慰安婦少女像は韓国国内に150体、海外には34体が設置されているという。日本でも「表現の不自由展」で展示されてきたが、その撤去運動が韓国から始まった。親日であるだけで罪人扱いされる国で、なぜそんな活動が生まれたのか。その中心人物による寄稿。【金 柄憲/国史教科書研究所所長】

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「少女像の実物を見るのは初めて、と語ったある女性は、感極まったのか、少し涙ぐんだ」

 8月6日付で韓国・聯合ニュースが報じた日本の「表現の不自由展・京都」に関する記事の一節である。「検閲や社会的な圧力により展示中止に追い込まれたアート作品を集めて展示する美術展」と銘打たれたこの企画展で、黒いチマ(スカート)に白いチョゴリ(上衣)を着て裸足で座っている慰安婦少女像と向き合ったその女性は、乱暴に日本軍に連れ去られてひどい性的暴行を受けた幼い少女を思い浮かべたことだろう。

 韓国でもソウルの路線バスが、これと同じ少女像を前方の座席に座らせて市内を走り回り、多くの市民の注目を集めたことがあった。それを目の当たりにした市民の多くも、「表現の不自由展」を見た女性のように、涙ぐみ、罪悪感に苛まれたに違いない。

 こうした点で、この少女像を作った金運成(キムウンソン)・金曙(キムソ)ギョン夫妻のもくろみはかなり達成したといえる。

世界各地の少女像の撤去を求める運動

 目下、この少女像は日本各地を巡回中である。2019年、「あいちトリエンナーレ」の「表現の不自由展・その後」で展示され、抗議が寄せられたために展示中止となった「平和の少女像」は、今年8月6、7日の京都に続き、同月25日から28日まで、名古屋で再び展示されることになった。

 このため私は、名古屋で展示中止を訴えるべく急遽来日し、街頭での抗議運動や記者会見を行った。同月26日には、この企画展の中で行われた少女像の作者、金運成氏とのトークイベントに飛び入り参加して、あのような少女像を製作した根拠を尋ねた。よもや私が名古屋にいるとは思わなかったのだろう、金氏は「慰安婦が証言している」とだけ言い、私の質問にきちんと向き合わなかった。

 私はいま、これら世界各地の少女像の撤去を求める運動を行っている。本稿でその一端をお伝えしようと思う。

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