「團十郎襲名披露」なぜチケットの売れ行きが不調? 勸玄くん人気に陰り、「商標登録」トラブルも

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勸玄くん人気にも陰りが

 十二月大歌舞伎は11月半ばにチケットが発売されるが、この配役が売れ行きに関わってくるのでは、と指摘する。

「これまで、勸玄くんの観客動員力はすさまじかったんですよね。やはり、お母さんを病で亡くした彼を応援したいというファンが一定数いたんです。しかし、勸玄くんは11月の興行で『外郎売』に出演するのに、売れ残っていたところを見ると、その人気も落ちてきているということでしょう。『毛抜』が親バカな配役だと見られれば、より一層ファンが離れていくことにもなりかねません」(同)

 かように、歌舞伎界に「新風」を吹き込んでいる團十郎に対し、苦々しく思っている重鎮は多いとされる。例えば、尾上菊五郎(80)。口上には出演するものの、それ以外では「外郎売」のみである。

「勸玄くんは応援するけど團十郎はしない、というメッセージなのかもしれません」

 と先の記者。

「菊五郎さんは、独自公演ばかりで歌舞伎座に寄り付かない團十郎さんを遠ざけているように見えます。もっと伝統芸能を継承する意識を持ってほしいという思いがあるのでしょう。そもそも菊五郎さんは高齢を理由に口上にすら出演しないという話があり、それでは格好がつかないと松竹がかなり説得したと聞いています」

商標登録トラブルも

 始まる前から前途多難だった今回の襲名披露。しかし、團十郎はさらに別のトラブルも抱えていた。「商標登録」である。

 歌舞伎と商標。一見、縁がなさそうに見えるものの、その名跡が悪用されないよう、登録された例は過去になくはない。ただ、この数年、團十郎が代表取締役を務める株式会社成田屋によって、実に60近い商標登録が出願されているのである。中でも物議を醸したのが、20年6月に「勧進帳」「助六由縁江戸桜」および「暫」の人気3演目を出願したことだ。

「その出願は特許庁に拒絶され、昨年3月、成田屋から不服の申し立てがなされました。しかし、今年の7月に審判の末、正式に却下されているのです」(同)

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