渋谷ハロウィンは仮装売上「1.5倍」に ビキニ衣装や過激映像の放映で求められるTPO

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牛柄ビキニにコート

 29日にセンター街の入り口に登場したのは、牛柄のビキニにコートを羽織っただけの、かなり露出度の高い姿をした女性だ。彼女は渋谷ハロウィンの常連で、昨年のハロウィンでは腹部から胸までが大きく開いたチャイナドレスで参加していた。今年はそれ以上の露出といえよう。

 彼女のまわりには人だかりができ、事故防止のために「立ち止まらないでください!」と促す警備の声もむなしく、ちょっとした撮影会の趣に……。だが、十数分後に警官に促され、あえなく散会となった。その後、彼女は交番に連れていかれたようだ。10月中旬には、露出度の高い服装でユニバーサル・スタジオジャパンを訪れたインスタグラマーの女性が「下着ユニバ」として炎上したことを髣髴とさせる。

 また、同じ頃、センター街の入り口ではモニターを持って立ち、屠殺される家畜の映像を延々と流す仮装(パフォーマンス)が行われていた。仲間と思われる私服の女性が、道行く人に“こうやって命が奪われることを知っていますか?”と話しかけている。声をかけると、

「(動物愛護)団体ではありませんが、命の大切さを知ってほしくて」

 との答えが返ってきた。

仮装の入店お断り

 冒頭で紹介した車内アナウンスしかり、仮装のTPOを求める呼びかけが散見された今年。SNS上でも、モデルガン製造大手の東京マルイが〈ハロウィンでのお願い〉として公共の場ではエアガンを見せないよう訴えたことも話題になった。〈※銃の形をしたエアガン(ソフトガン)を「怖い」と思う人もいます〉というのが理由だ。また、渋谷PARCOは仮装をしている客の入場を禁止してもいた。

「道玄坂下にある老舗・西村フルーツパーラーの入り口にも〈過度なハロウィンの仮装をされている方の入店はお断りしております〉との掲示がありました。今年は路上飲酒を禁じていたこともあり、15年にキングコングの西野亮廣さんがゴミ回収プロジェクトをやっていたことを忘れるほど、街もキレイです。今後のハロウィンは、そういったこととは別の形でのマナー向上が求められているのかもしれませんね。まあ、駅のトイレの個室には、そこで着て行ったであろう衣装のタグが捨てられていて、まだ甘い面もありますけれど」(先の渡辺氏)

“皆で楽しめる渋谷ハロウィン”を目指すべきなのには、こんな理由もあるという。

「実は今年のハロウィンで、仮装をしている人の3割は外国人の方。おそらく、好きな格好をして街に繰り出せる渋谷のハロウィンは、日本独自の風景として、面白く受け止められているのでしょう。今後は海外に渋谷ハロウィンをアピールし、インバウンド需要につなげることもできます。若い人たちの息抜きの機会として盛り上がってほしいと思うと同時に、“どう見られるか”は意識していきたいところですね」

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