「学生の自分にも徴兵令状」「出国がうまくいくか…」 市民の戦争動員、ロシア国民の本音を調査

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「自分の命を独裁者に捧げるべきではない」

 ロシア人男女に試みた緊急アンケートは20人から回答が得られたが(うち6人はロシア国外在住)、「徴兵令状が届いたら戦闘に参加するか」という問いに、18人が「いいえ」と答えた。

 むろん、情報統制が厳しいロシア国内のこと。モスクワ在住の女性(35)のように、「母国を守りロシア人をナチから守るため」に「戦うべきだ」と主張する人もいるが、目立ったのは以下のような声だった。

「誰も殺したくない」(モスクワ在住の男性、36歳)

「ウクライナは私たちの友だちで、私の親戚も多くはウクライナ人。そもそもいかなる戦争にも反対だ」(在ロシアの男性、33歳)

「これは犯罪的な戦争だし、命と健康に関わる個人的なリスクも非常に高い」(モスクワ在住の男性、25歳)

「自分の周囲には戦いたいと思っている人など誰もいない」(モスクワ在住の男性、36歳)

「攻撃を開始したのは私たちの国で、私は攻撃する側を支持できない」(ブルガリア在住の男性、33歳)

 続いて「家族が軍に参加するのを支持するか」という問いには、16人が「いいえ」と答えた。理由は、

「他人の帝国主義的な理想や目的のために、もともと戦争なんて支持していなかった普通の人が、死んだり殺し合ったりする必要はまったくない」(モスクワ在住の女性、26歳)

「自分の命を独裁者に捧げるべきでなく、そんなふうに自由をあきらめてはいけない」(モスクワの南東、ペンザ市在住の男性、26歳)

プーチンは「戦争犯罪者」

「現在のロシアをどう思うか」という問いには、苦衷がさらに反映される。

「すべてが悪くなった」(モスクワ在住の男性、36歳)

「すべての道が断たれ、状況は悪化の一途」(モスクワ在住の男性、26歳)

「ロシアを操る一部の人が、破局へと導いている」(モスクワ在住の男性、25歳)

「ロシアは素晴らしい人々や場所に恵まれ、みな普通に暮らしている。一方、ウクライナではわれわれの兵士が仲間を殺している。こんなの公平じゃない」(在ロシアの男性、33歳)

 また、モスクワ在住の女性(26)は冷徹に、

「ロシアは自らの情報の空白を作り、自分に心地よい麻薬のような情報で埋めている。自由なメディアや表現の自由の欠如、歴史の繰り返し、カルト的なものへの依存、人々の政治への無関心の結果だと思う」

 と分析する。まさに自由がないからこそ、

「アメリカの覇権に対抗する偉大な国。神がついており、私たちは勝利する」(モスクワ在住の女性、35歳)

 という声もあるが、

「帝政ロシアの復活を夢見る洗脳された人は、政府に操られている。まともな人はみな逃げ出した」(モスクワ在住の男性、25歳)

 と、醒めた目のほうが優勢だった。

 プーチン大統領を「どう思うか」という問いに対しても、「戦争犯罪者」(モスクワ在住の女性、26歳)や「殺人者」(在ロシアの男性、33歳)、「完全におかしくなった」(モスクワ在住の男性、25歳)との回答のほか、

「国際刑事裁判に迎えられるまで、どうか健やかに末永くおすごしください」(ペンザ市在住の男性、26歳)

「彼が行った残虐行為に対してはいかなる刑罰も十分ではない」(モスクワ在住の男性、25歳)

「一刻も早く安らかにお眠りください」(モスクワ在住の女性、35歳)

 と辛辣で、本質を突いた回答が並んだのである。

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