ゴルフコースと裏金を管理 超一流「グリーンキーパー」が芝に蒔いた詐欺の種 ダミー会社も設立

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架空取引

 今夏、ゴルフ場のコース管理を手掛ける「グリーンキーパー」の第一人者、大江康彦被告が150万円の詐欺容疑で逮捕、起訴された。架空のグリーン用活性剤の代金を騙し取ったという。大江被告は、ほかにも多くの不正行為を働いていたのだ。

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 米国赴任中に米国グリーンキーパーの最高資格である「CGCS」を取得し、度々メディアにも取り上げられたのが大江被告だった。2006年5月からは、ジャック・ニクラウス設計の「東京クラシッククラブ」など、国内に六つのゴルフ場を展開する「クラシック」の看板グリーンキーパーとして活動していた。

 クラシックの小島拓之社長によると、

「大江はクラシックの“取締役コース管理本部長”に就任早々、架空取引を始めた。その手口は、取引先が芝の種や肥料などを納入したように装い、請求書を送付。グリーンキーパーの大江がそれを決済し、取引先が商品代金から数%の手数料を受け取り、残りを大江にキックバックするというものでした」

 それとは別に、大江は同じ取引先の代表を名義人にし、08年1月、ダミー会社を設立。ダミー会社から、芝刈り機などコースメンテナンス機器の修理費用や部品代などをクラシックに請求させていた。

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