業界大混乱! 「AV新法」施行がもたらした「ファンティア」「海外撮影」「同人AV」隆盛の“功罪”

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「AV新法(AV出演被害防止・救済法)」が施行されてから2カ月余りが経過した。一部で「天下の悪法」とも評される同法の影響はすでに顕著にあらわれ、新法をスリ抜ける“危険でグレー”な領域が以前より広がりつつあるという。そんななか、仕事の激減したセクシー女優らが大挙して活動の場を移し始めた、驚きの“新天地”とは――。

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 AV新法のポイントは、出演者との間で契約書の交付を義務付け、契約から1カ月以内の撮影を禁止。また作品が公表されてから1年間(法律施行後2年は2年間)は出演者の求めに応じて無条件で契約を解除でき、販売や配信の停止をできるようにした点だ。

 いずれも「強要」や「意に沿わない」出演被害を防止する目的だが、法律の“救済対象”であるはずの当のセクシー女優たちから支持の声はほとんど聞こえてこない。反対に当事者からのヒアリングなく成立した経緯も含め、「救済でなく女優を路頭に追いやる机上の空論」や「アングラAVの拡大を招き、無法地帯が広がるだけ」といった声がいまも絶えない。

 現在、業界で起きている「変化」について、中小AVメーカーの関係者がこう話す。

「新法施行によって撮影後も4カ月間は映像の公表は禁止となりました。通常、リリースの約1カ月前から宣伝やPR期間を設けるのですが、それも加味すると女優との契約から半年程度は作品の販売・配信ができなくなった。この間の収入は見込めない反面、女優へのギャラはリリース前に払わなければならないので、キャッシュフローに余裕のない中小メーカーのなかには廃業へと追い込まれたところもあります」

「月収1000万円」プレイヤーも

 さらに撮り直しや共演作品の制作、そして新人の起用なども難しくなり、業界に混乱をもたらしているという。

「撮り直しをしたくても新たに契約書を交わす必要性が生じるなど、作品のクオリティより手間や面倒を敬遠する傾向が強まった。また複数の女優による共演作品の場合、ひとりでも心変わりすると“すべてがパー”になるので企画自体が激減。同様に撮影経験のない新人女優を起用する際も(突然の翻意など)リスクのほうに目が行ってしまい、デビューそのものが難しくなっています」(同)

 結果、セクシー女優たちの仕事の機会は大きく減った一方で、新たに活躍の場を求めて彼女たちが飛び込んだ先のひとつが『ファンティア』というプラットフォームとか。もともとはコスプレイヤーやVTuberといった「クリエイター」を支援する目的で立ち上げられたサイトだが、新法施行を機にセクシー女優が続々と同サイト内に「作品」を投稿し始めているという。

「私の知るかぎり、すでに20人近くのセクシー女優がファンティアに活動の場を移しつつあります。クリエイターとして登録後、投稿した作品を気に入ったファンが購入するという仕組みで、値段設定もクリエイター側が決められる。一番稼いでいる女優だと月の売上げが1000万円近くになり、いまや“AVより稼げる”との評すら立ち始めています」(AV系プロダクション経営者)

 投稿作品の多くは自撮りでのセクシーショットやプライベートでのセックス映像など、AVと内容が大差ないものも少なくないという。しかしファンティアの場合、女性自身が監督と出演者を兼ね、ファンになった会員以外には非公開のシステムのため、AV新法の取り締まり対象に現実にはなり得ないという。

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