「子供に失敗させろと言うんですか!」 着替えが自分でできない息子に焦る母…原因はどこに?

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「子供に失敗させればいいって言うんですか?」

 父親として母親として、子供が今どういう状態であるか、将来どのように育ってほしいのか、子供の年齢に合わせて親の側は二人で考えのすり合わせができるといいですよね。

 シャツのボタンを留めることも、靴を履くことも、子供の成長にとって、とても大切なことです。

 子供の成長には時間がかかります。初めてトライすることに対して失敗が起こるのは当然ですし、子供の失敗を見守るのも親の役割のひとつだと私は思います。

 彼女は気色ばみます。

「子供に失敗させればいいって言うんですか?」

 そうですね。何も失敗しないより、失敗は早めにしたほうがいいと思います。早めに小さな失敗を重ね、その度に課題をクリアする。

「家庭の中は、子供が安心して失敗できる場でもあるんですよ。ひとつの失敗からその原因を見つけたり考えたり、次には失敗しないようトレーニングする場でもあります。お子様が安心して失敗できるよう、お母様は見守って、待ってあげてくださいね」

 子育てにおいて「待つ」ことの重要性を父親が理解できれば、母親を一方的に叱りつけることもないでしょう。幼い子供が日々成長していくように、お母様もお父様も親として日々成長していくものです。子育てが原因で、ご夫婦の仲がおかしくなって、別の相談にいらっしゃるようなことがないように、と願いました。

池内ひろ美(いけうちひろみ)
家族問題評論家。一般社団法人ガールパワー(Girl Power)代表理事。家族メンター協会代表理事。内閣府後援女性活躍推進委員会理事。1996年より「東京家族ラボ」を主宰。『とりあえず結婚するという生き方』『妻の浮気』など著書多数。

デイリー新潮編集部

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