「ペットのようにかわいい」 超小型の食洗機で「だるい皿洗い問題」を解決した作家・安壇美緒

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「だるい皿洗い問題」をどうするか

 2017年、「天龍院亜希子の日記」で小説すばる新人賞を受賞し、近刊『ラブカは静かに弓を持つ』では音楽教室への潜入調査を描き話題を呼んだ、作家の安壇美緒さん。息子とふたりで暮らす彼女が、悩みに悩んで購入したのは“超小型の食洗機”。果たしていい買い物となったのか……?

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 息子とふたりで暮らしている。ので、さほどの食器もないのだが、ついに食洗機の購入を迷うことになってしまった。おそらく誰かがSNSで紹介しているのを目にしてしまったのだろう。現代社会のいいカモである。

 掃除の類は結構好きだが、皿洗いだけはそうでもない。やり始めてしまえば苦でないのだが、着手するまでがだるい。いちいちゴム手をはめるのがだるい。さりとてゴム手を省いたら省いたで、なんか美容的になえる。

 うだうだ言っているわりに食洗機の導入を真剣に考えたことがなかったのは、キッチンの狭さゆえである。測ったことはないけどたぶん置けないでしょう、というフンワリした諦めが、だるい皿洗いをそのままにしていた。

慎重にいこう、と決意したものの…

 しかし今回の食洗機は「いままでにない超小型」らしい。工事不要、賃貸OK。

 そしてグッドプライス。

 2万チョイチョイで日々のだるさから逃れられるならば、先行投資すべきではないか。

 じゃあ買っちゃおっかな、という気持ちと、ノリで家電を増やしていいのか、という気持ちが入り混じる。小型とはいえ結構でかい。買ったはいいけど使ってない、は嫌すぎる。

 慎重にいこう。

 楽天スーパーSALEの賢者たちは5と0の付く日に買い物をするという。楽天カード会員ならポイントがさらに5倍になるからだ。先人たちの知恵に倣って、私も5倍の日に参戦することにした。あらかじめ買うものは決めてあるので、心の動きは無に近い。

 で、くだんの食洗機はどうなったんだ、と話を戻すと、買った。無心で深夜にポチったらしい。慎重にいこうとはなんだったのか。

 買ったからには使い倒してやるわよ、と宅配を待っていたら、想像よりもでかいダンボールが届いてしまった。梱包材を除いてもでかい。本体でかい。結構でかいじゃん。

 キッチンに収まらなかったらエグすぎる……とビビりながらシンクの横に設置してみると、サイズはピッタリだが「でかいなあ」は拭えなかった。更地にいきなりビルが建ったような圧迫感。これでうまいこと使いこなせなかったら心がお通夜になるだろう。

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