京都の「百寿者の町」秘密は最強の善玉菌・酪酸菌だった 高齢者の腸内フローラに驚きの特徴が

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あるスーパーフードの名前

 このことを前提に、改めて京丹後の高齢者の食生活を振り返ってみます。

 イモ類、海藻類の摂取率についてはすでに触れましたが、それ以外の特徴で言うと、玄米をはじめとする全粒穀物を主食にしている人が多かったことに加え、やはり水溶性食物繊維が多いゴボウなどに代表される根菜類や、インゲン豆や納豆などの豆類をおかずとして恒常的に摂取している人も多かった。

 さらに注目に値するのは、京丹後に根付いている、ある“スーパーフード”の存在です。それは「板わかめ」。

 板わかめは普通のわかめと違い、湯通ししてから乾燥させるのではなく、水洗いしただけで天日干しにする。こうすることでミネラルが多く残るわけですが、それだけでなく当然、海藻であるわかめには水溶性食物繊維も豊富に含まれている。お惣菜として、この板わかめのだし汁をイモやゴボウ、豆腐などの食材に染み込ませるように煮て作った「炊(た)いたん」と呼ばれる煮物を食べることが、京丹後の家庭ではポピュラーだといいます。

 こうしたことからもやはり、とりわけ水溶性食物繊維の摂取に、京丹後の長寿の秘密があることが浮かび上がってきます。

 なお、果物ではキウイ、みかん、バナナ、パイナップル、ぶどうなどに、食物繊維は多く含まれています。

サプリも併用

 京丹後の人を見習って食物繊維を多く摂取すればいいとはいえ、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると、成人(18~64歳)男性の食物繊維の1日の摂取目標量は21グラム、成人女性は18グラムと定められています。白米や白いパン、つまり主食が全粒穀物ではなくなっている現代社会において、この数字はほぼ達成不可能といえるでしょう。

 そうしたなかで、例えば白米に、小麦の5倍以上の水溶性食物繊維を含有している大麦などを混ぜて炊くのは有効でしょう。そうはいっても、それで摂取できるのはせいぜい3~5グラムくらいです。したがって、ある程度はサプリメントで補うことも現実的な手段だと思います。私自身、えんどう豆の一種で、水溶性食物繊維が豊富なインド産のグア豆由来のサプリ5グラムを、豆乳、バナナ1本、ハチミツ、緑茶青汁粉末と混ぜて、毎日スムージーにして飲んでいます。

 最後に、京丹後の高齢者の食生活に見られるその他の特徴を述べておきたいと思います。

 まず、牛肉や豚肉といった動物性のタンパク質や脂肪を、幼い頃からあまり摂取していない傾向があります。食物繊維の話とも関連してきますが、タンパク質を魚類や、その加工品であるかまぼこや佃煮などから多く摂取しているのです。

 次に、地方ならではの特徴といえるでしょうが、自宅の庭で飼っている鶏が産む新鮮な卵を毎日食べているといった人も少なくありません。

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