京都の「百寿者の町」秘密は最強の善玉菌・酪酸菌だった 高齢者の腸内フローラに驚きの特徴が

ドクター新潮 健康 免疫力

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食材そのものからの摂取は困難

 酪酸菌はぬか漬けや臭豆腐に含まれていますが、こうした食材そのものを摂取して大量に増やすことは難しい。また、世の中には「酪酸菌サプリ」が溢れていますが、外から取り入れるよりも腸内で酪酸菌を増やすほうが効率的です。そのためには、食物繊維を多く摂取することです。なぜなら、先ほど述べたように酪酸菌は食物繊維をエサにしているからです。他にも、食物繊維には腸内環境を整える作用があるため、ぜひとも摂取したいところです。

 事実、京丹後の高齢者は80%以上が週に3回以上、食物繊維が豊富なイモ類を食べていたのに対し、京都市の高齢者は54%でした。

 同じく食物繊維が多く含まれる海藻類の摂取も、京丹後の66%に対し京都市は44%に過ぎませんでした。このことからも、酪酸菌のエサとなる食物繊維をしっかり取ることが重要であると分かります。

2種類の食物繊維

 その食物繊維は2種類に大別されます。ひとつは不溶性食物繊維です。これは胃腸の水分を吸収してふくらむことによって腸の蠕動運動を活発化させ、便通を促してくれます。不溶性食物繊維は、京丹後の高齢者がよく食べているイモ類の他にキノコ類にも多く含まれています。

 もうひとつは水溶性食物繊維で、果物や根菜類、海藻類に多く含まれており、これがまさに酪酸菌のエサとなります。

 後者の水溶性食物繊維を摂ることで酪酸菌を増やし、前者の不溶性食物繊維を摂取することで腸の健康を保つ、このバランスが重要なのです。

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