刑執行の「加藤智大」死刑囚 拘置所で捧げた「朝の祈り」と嫌いだった女性タレント

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 2008年6月に起きた秋葉原無差別殺傷事件で、死刑が宣告されていた加藤智大死刑囚の刑がついに執行された。彼が塀の内側で見せていた知られざる姿とは。(以下は「週刊新潮」2013年10月24日号に掲載されたものです)

 東京拘置所には、AからDまで4つの収容棟がある。多くは未決囚だが、ある棟の上階には死刑囚が収監されている。“死刑囚フロア”には、左右に各33の独房があり、死刑囚は30人前後。残りは、「特捜案件」と呼ばれる世間を騒がせた被告らが入っているという。そのフロアの住人の一人である加藤は、一審で死刑を宣告された後、12年9月12日の二審でも控訴棄却の死刑判決を受けて、最高裁へ上告した。

 13年2月7日号で、本誌「週刊新潮」が掲載した東京拘置所の元衛生夫の手記ではこう触れている。

〈彼のことを“カトちゃん”と呼んでいましたが、とても大人しい人です。クロスワードパズルの本を購入して、房で問題を解いたり、枡目を塗りつぶしてばかりいました。車雑誌もよく読んでいました〉〈去年、カトちゃんは段ボール3箱分の訴訟資料を全て捨ててしまいました。担当官は“本当にいいの?”と何度も確認していましたが、本人は“いいよ”と言っていました。ちょうどその頃、手記『解』を書き終えたばかり。まだ上告中なのですが、執筆が終わったらもういらなくなったということなのでしょうか〉

 身勝手な動機で7人もの命を奪った挙句、自らの罪と全く向き合おうとしない加藤。拘置所関係者によれば、こんな理解不能なことがあったという。

「拘置所では、決まった時間にラジオ放送があります。土曜日の午前10時は押切もえさんの番組で、なぜか、加藤はその後の昼食を食べないのです。理由を聞くと、加藤は彼女が嫌いなのでラジオを聞きたくないから、その時間にバリバリ音を立ててかっぱえびせんを食べる。それでお腹が空かないということでした」

贖罪ではない

 二審の判決から400日。最近になって、加藤にも心境の変化があるようだ。

「朝食前の7時頃、加藤が窓に向かってお祈りを捧げているのです」

 こう語るのは、別の拘置所関係者だ。

「彼の後ろ姿を見ると、脇を締めて肘も体の前の方にやっている。頭もうつむき加減で、じっと祈っているのです」

 刺殺された藤野和倫君の祖父、広治さんはこれを聞いて憤る。

「あれから5年も経つのです。今更、反省するなんてあまりにも遅すぎる。二審で、加藤は一度も出廷しませんでした。それなのに、最高裁に上告したのですから理解できません」

 そもそも、加藤の祈りは被害者への贖罪のためなのだろうか。社会部記者によれば、

「彼の犯行動機の一つは、死にたかったから。二審で死刑を言い渡されて、死が現実のものになった。それで急に怖くなり、祈ることで心の安寧を求めているのではないでしょうか」

 最高裁で二審の判決が覆る可能性は低い。専門家は14年3月に死刑が確定して、その後、早ければ3年半で死刑が執行されるとみている。

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