ヨーヨーブーム再来 日本選手権3連覇中の「美人プレイヤー」は社会保険労務士で2児の母 スケバン刑事でも指南

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世界大会にも挑戦

 初めて舞い込んだヨーヨーの仕事を経験し、飯塚さんにプロ魂が生まれた。

「またこのような仕事が来た時には、ちゃんとしたものを見せられるようにしないといけないと思い、再び大会を目指して猛特訓を始めたのです。TAKAさんのお店でバイトも始めました」

 そして大学3年生の冬、マレーシアで行われたアジア大会の5A(ヨーヨーの反対側の糸を指でなくカウンターウェイトと呼ばれるおもりに固定してプレイする)部門に挑戦。予選は2位通過だったが、決勝では緊張のあまりミスをして14位に。リベンジを期して、翌年にはアメリカ・フロリダで開催された世界大会の同部門に再挑戦したが、11位に終わった。

「ただ、私が目標としていたスティーブ・ブラウン(同大会12位)というカウンターウェイトスタイルの創始者でもあるアメリカ人カリスマプレイヤーの順位を超えることができたのは嬉しかった。やりきった感もあり、就職も控えていたので、ここでまた一区切りつけました」

再び競技に戻り現在3連覇中

 大学卒業後は音楽配信事業会社に営業職として就職。だが、土日も出勤しなければならない多忙な会社だったため1年足らずで退職し、資格取得を目指すことにした。税理士事務所などで働きながら簿記や英語などを勉強した後、音楽制作会社に再就職。今度はマネージャー業を始めた。

 その音楽制作会社で人事労務も任されたことがきっかけになって、社労士の資格取得を目指すことになり、2年の猛勉強の末、2014年に合格。そして17年にスピカ社会保険労務士事務所を開業し独立した。独立後、最初の顧客になってくれたのはTAKAさんの会社だった。また、6年間勤務した音楽制作会社にも、顧問として現在も関わっているという。

 だが、この間もヨーヨーへの熱い思いを捨てきれず、休日を使ってイベントのデモンストレーターやテレビ番組の仕事を引き受けてきた。そして、社労士としての仕事が軌道に乗ってきた頃合いに、競技の世界へ戻ったのである。2019年に日本大会の女性部門で準優勝。翌年から今年まで同大会同部門で3連覇中。ちょうどこのタイミングでブームも再来したため、飯塚さんにも注目が集まってきた。

「最近は『ヒルナンデス!』(日本テレビ)や『Another Face~もう一つの素顔~』(TBS)などのテレビ番組にも呼んでいただくようになりました。子供は2人いて3歳と5歳。もう少し落ち着いてきたら、男女混合部門や国外の大会にも再び挑戦したいと闘志を燃やしているところです」

結婚相手もヨーヨープレイヤー

 ちなみに、2015年に結婚した夫も1A(ワンハンドストリングトリック)部門で世界6位まで行ったヨーヨープレイヤー。ヨーヨーを通して伴侶まで得られた。これから立ち上げるヨーヨー専門店は、「人と人とを結びつける憩いの場としたい」と語る。

「ヨーヨーは性別も世代も超えて遊べる魅力があります。いまのブームの牽引役は30~40代ですが、もっと子供たちにもヨーヨーの魅力を伝えていきたい。最近の子供たちはデジタル画面の中でばかり遊んでいますが、ヨーヨーのように手を動かす遊びは知能の発達にも役立つと思う。これからも、ヨーヨーをコミュニケーションツールとして普及させていく活動をしていきたいです」

デイリー新潮編集部

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