「サメが襲ったとしか…」 「遊戯王」作者の第一発見者が語る“惨状” 専門家が語る死因とサメ対策

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死因を「溺死」と発表

 高橋さんが発見された直後の報道では、遺体の損傷具合から、サメに襲われた疑いも指摘されたが、11日になって海上保安庁名護海上保安署は、直接の死因を「溺死」と発表している。

 同署の担当者に聞くと、

「死後につけられたサメの咬傷を認めましたので、亡くなってからかまれたということになります」

 サメの餌食になって命を落としたのではなかったわけだが、夏休みに沖縄へ出かけようとする人たちにとっては、一抹の不安が残るのもまた事実だろう。

 サメなどの海洋生物の生態に詳しい長崎大学水産・環境科学総合研究科教授の山口敦子氏に尋ねると、

「人間のみならず生物の遺骸が浮いていたら、サメに限らず他の魚たちが捕食することは大いにあり得ます。残念ながら溺死体がキレイな状態で見つかることはあまりないのですが、むしろ多くのサメにとっては魚など他に好みのエサが海には豊富にあるので、わざわざ生きた人間を探して襲うことはしません。実際にサメに襲われて死亡した例は極めて稀で、不運なことなのですが、通常、大きなサメの活動域は陸から少し離れたサンゴ礁の外側です。そこから一気に水深が深くなりますから、安易に近づかない方が無難だと思います」

 海で楽しむ季節はまだ始まったばかり。夏をあきらめず、正しく恐れることが肝要である。

週刊新潮 2022年7月21日号掲載

ワイド特集「夏をあきらめて」より

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