辞任するジョンソン英首相と痴漢議員の関係 若い男性のお尻をギュで問題に
主要閣僚や政府高官50人がドミノ辞任した影響で、7月7日、イギリスのボリス・ジョンソン首相(58)は与党・保守党の党首を辞任、次の党首が決まり首相も交代すると発表した。首相を辞任に追い込んだ大きな原因として、保守党のクリス・ピンチャー院内副幹事長(52)の性的スキャンダルがある。6月29日、会員制クラブで男性2人に痴漢行為を働いたのだ。
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【話題のピンチャー議員の写真】「僕といい関係になってくれたら、政治家にしてあげる」と男性に性的関係を迫ったと告発された
ジョンソン首相は、今年に入ってから不祥事で支持率低下に苦しんでいた。
2019年7月末に首相に就任したジョンソン氏は、EUからの離脱が最大の争点になっていた同年12月の総選挙で与党・保守党を圧勝させた。2020年1月、EU離脱を実現させ、評価された。
ところが今年1月、新型コロナによるロックダウン中に首相官邸で首相のバースデーパーティーなど複数のパーティーを開いていたことが発覚。下院議会で野党党首から首相としての資質が問われ辞任を迫られた。
4月、パーティーを行ったことは新型コロナ対策の規則違反になるとし、警察当局から罰金の通知がきたことを明らかにし、謝罪した。
お尻をギュッと
5月に行われた地方選挙で保守党は大敗。それでも6月6日、下院議会での党首信任投票では、賛成211人、反対148人となり、反対票が過半数に達しなかったため、続投することになった。
もっとも、ほっとしたのも束の間、6月29日、ピンチャー議員が保守党の会員制クラブ「カールトン・クラブ」で泥酔した挙げ句、2人の男性客を襲い、痴漢行為を働いたのだ。この責任をとって30日、ピンチャー議員は院内副幹事長を辞任した。
ピンチャー議員は2017年、ボート競技の元オリンピック選手で保守派活動家のアレックス・ストーリー氏に性的関係を迫り、問題になったことがある。
「ストーリー氏は政治家を目指していました。そこでピンチャー議員は『僕といい関係になってくれたら、政治家にしてあげる』と言ったのです」
と解説するのは、元国連職員でロンドン在住の著述家・谷本真由美氏。
「その後彼は、ピンチャー議員から性的関係を迫られたとみんなに言いふらしたので、ピンチャー議員がゲイであることがみんなに知られてしまったのです」
ピンチャー氏は2010年初当選し、ジョンソン政権では外務省やレベリング・アップ(地域活性化)担当相の政務官を務め、今年2月に院内副幹事長に就任していた。
「ピンチャー議員は奥さんがいるのに、若い男性が好きなんです。男性のお尻をギュッと握るセクハラ行為をこれまで何度も行っています」
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