「食べログ」賠償命令判決で噴き出したモヤモヤ感 「評価点」はどこまで信用できるのか

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修正や削除はルールに基づくと説明

 食べログを運営するカカクコムに投稿の選別基準について訊ねると、こう回答した。

「口コミについては満足した内容はもちろん、不満だった内容の投稿も可能ですが、健全なコミュニティサイト運営のためのルールとしてガイドラインを設けております。例えば『事実と異なる』『誹謗中傷に当たる』『プライバシーの侵害に当たる』といった口コミの投稿は、ユーザーの皆様、飲食店の皆様にご迷惑をおかけすることになりかねません。このため、食べログでは日々投稿される口コミにつき全件目視の確認を行い、ガイドラインに違反する口コミにつきましては、修正をお願いする場合や削除させていただく場合がございます」(同社広報)

 アルゴリズムの計算に使われる基データの内容などについても訊ねたが、訴訟に関連するとして、

「控訴審においては、本件判決の問題点を指摘するとともに当社の正当性を改めて主張し、本件判決の是正を求めてまいります」(同)

 と、今後の見通しを述べるにとどめた。

 前出の井上氏は「問題の本質」は食べログ側だけにあるのではないという。

「食べログがここまで影響力を持つに至った背景には、特に都内などが顕著ですが、飲食店の数が多過ぎて、過当競争に陥っている状況があります。競争が激しすぎて、生き残るには食べログなどの“宣伝ツール”を使わざるを得なくなっているのです。一方の食べログ側も有料会員の獲得に積極的な傾向が見られ、食べログと飲食店が“共依存”のような関係に陥りかねない危うさがある。そうなると結局、正確な情報に触れる機会が失われる可能性のある消費者が一番の被害者となりかねません」

デイリー新潮編集部

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