「食べログ」賠償命令判決で噴き出したモヤモヤ感 「評価点」はどこまで信用できるのか

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 月間利用者数が8000万人を超え、日本最大級の口コミサイトとして知られる「食べログ」。食事や会食の際の店選びに誰しも利用した覚えがあるはずだ。しかし今回、食べログの店への評価法に、初めて司法が“疑義”を突き付けた。多くの利用者に戸惑いが広がるなか、「そもそも口コミサイトって、どうやって店の評価を付けているの?」と新たな疑問が浮上する事態に……。

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 6月16日、東京地裁は飲食店の口コミサイト「食べログ」が“アルゴリズム”と呼ばれる店を評価する計算手法を一方的に変更したのは「違法」に当たると認定。運営会社のカカクコムに3840万円の賠償を命じた。

「原告は食べログの有料会員でもある焼き肉チェーン店の運営会社で、2020年5月、カカクコムに対して約6億4000万円の損害賠償を求めて提訴していました。訴状によると、カカクコム側のアルゴリズム変更で店の評価が下がり、売上が月約2500万円減少したと主張。今回の判決で、アルゴリズム変更は『(取引上の)優越的な地位を利用して(店側に)不利益な変更を行い、独占禁止法に違反した』と原告側の主張に沿う判断が下されました」(全国紙司法記者)

 カカクコムがアルゴリズムを変更したのは19年5月。原告側は、この際にチェーン店の評価を一律に下げる変更が行われ、以降、運営店舗の評価点がそれまでの平均3.24から3.09に急落したと主張。結果、食べログ経由の客が月5000人以上減ったという。

 判決では、有料会員でなくなると経営上大きなダメージを被るため、不利益な変更要請にも応じざるを得ない状況に原告側は置かれていたと指摘。食べログでは店が有料会員になると、検索時に優先的に表示される仕組みになっているという。

 原告側は賠償額が低いとして、カカクコム側も判決を不服として、ともに控訴する意向を表明している。

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