「値上げ許容」発言の黒田・日銀総裁 大炎上に荻原博子さんが“妙に納得した”ワケ

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 物価の番人、大炎上──。日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁(77)が庶民感情を逆撫でした。商品やサービスが相次いで値上げしていることに触れ、「家計の値上げ許容度も高まってきている」と発言したのだ。

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 各国の中央銀行は、「物価の安定」という重要な役割を担う。そのため、政府から独立した立場で金融政策を行う。だから中央銀行は、「物価の番人」とも呼ばれる。もちろん、我が国の中央銀行たる日本銀行も例外ではない。

 そんな“番人のトップ”が堂々と、最近の物価上昇に“お墨付き”を与えたようなものだ。ただでさえ庶民は苦しい家計のやりくりに四苦八苦していたのに、6月の値上げラッシュが追い打ちをかけている。

 物価高に庶民が頭を抱える中、いきなり黒田発言が飛び込んできた。当然、ネット上でも怒りの反論が相次いだ。担当記者が言う。

「共同通信は1950年から、政財界の首脳や著名人を招き、『きさらぎ会』という講演会を開催しています。黒田総裁は6月6日に講演を行い、物価上昇について“ひとつの仮説”を披露しました。コロナ禍の行動制限で家計には“強制貯蓄”がある。物価上昇分を強制貯蓄で対応している間に景気を回復させ、賃金上昇を果たしたい、という内容でした」

 Twitterでは、ハッシュタグを付けた「値上げ受け入れていません」や「月給20万円で生活してみろ」のワードがトレンド入りし、次のような怒りの声が散見された。

「買い物は家内」発言も炎上

《我が家は「受け入れてない」のだが。》

《そもそも拒否権あるん? あれば受け入れ拒否するから手続き方法教えて》

《月給20万だってもらってない人たくさんいるし、ほんとに、2ヶ月7万弱で暮らしてみなよ! この人どんな家に住んでてふだん何食べて、家族はどうしてるんだろうね?》

 ちなみに日銀総裁の年俸だが、4月8日に役員給与が公開されている。それによると、黒田総裁の年間報酬は3501万円だ。

 また6月3日の参議院予算委員会で、黒田総裁は「スーパーに行って物を買ったこともありますけれども、基本的には家内がやっておりますので」と答弁している。こちらも呆れる声が殺到している。

 経済ジャーナリストの荻原博子さんは「こんな人が日銀のトップだったら、そりゃ景気回復しないわけだ、と腑に落ちました」と言う。

「ずっと給与も年金も上がっていないのに、物価だけが急激に上がっています。黒田総裁の発言を聞けば、誰だって怒り心頭に発するでしょう。本来なら講演会で、『国民の皆さまには物価上昇など、ご迷惑をおかけして申し訳ありません』と謝ってもおかしくないのではないでしょうか」

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