防衛費“5兆円増”で自衛隊が購入すべき兵器は? 専門家が「トマホーク」を挙げる理由

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5兆円で何が買えるか?

 5兆円と聞けば、日常的な金銭感覚なら天文学的数字だろう。しかしながら、軍事費としてなら決して高額ではない。

 産経新聞は2017年7月、「米、42年ぶり新型原子力空母『フォード』就役 大統領『敵震える』」の記事を掲載した。この中に、空母の建造費について触れた部分がある。

 新型フォード級原子力空母の1番艦「ジェラルド・R・フォード」、2番艦「ジョン・F・ケネディ」(建造中)、3番艦「エンタープライズ(3代目)」(計画中)の開発・建造費の総額は、430億ドル(約4兆7760億円)という。

 5兆円など3隻の空母で簡単に吹っ飛ぶことが分かる。まして空母だけ建艦しても意味がない。艦載機であるF−35は、1機あたり約127億円と言われる。これを何十機も用意しなければならない。

 むしろ“家計”の限度を考え、賢い買い物をしなければならないわけだ。どんな兵器が必要なのか考える前に、改めて防衛費増額の意義を確認しておこう。担当記者が言う。

「ロシアのウクライナ侵攻は、先進国に衝撃を与えました。フィンランドとスウェーデンが北大西洋条約機構(NATO)への加盟を表明するなど、ロシアに武力で対抗する姿勢を鮮明にしています。ロシアと関係の深い中国も、覇権主義を隠していません。そして日本は、ロシアと中国、更に核開発を進める北朝鮮と、いずれも近隣国です。防衛費増額の議論が起きるのは、当然と言っていいでしょう」

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