巨人は1番・丸、3番・吉川尚輝の打順でいいのか【柴田勲のセブンアイズ】

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吉川尚輝が1軍復帰

 巨人がペナントレースの序盤戦を首位・ヤクルトに1ゲーム差の2位で終えた。

 開幕から9試合を消化して8勝1敗とこれ以上ないスタートダッシュを切っていただけに少し寂しいが、菅野智之、坂本勇人、吉川尚輝ら主力が相次いで離脱した。ここは2位でヨシとしておきたい。

 その吉川尚が17日の広島戦から1軍に復帰した。4日の広島戦(マツダ)で黒原拓未投手から左肩甲骨付近に死球を受けて骨挫傷で離脱していた。

 打率3割4分1厘(復帰時点)の「不動の1番打者」が帰ってきたと思ったら、原辰徳監督は1番に丸佳浩を起用し吉川尚を3番に置いている。2番はアダム・ウォーカーだ。これには理解に苦しむ。

 吉川尚は開幕から「1番・二塁」として活躍してきた。巨人の長年の課題だった1番打者と二塁手を一気に解決した格好だった。

 原監督はおそらく今季の丸の得点圏打率の低さを気にして1番に据えたのだろう。23日時点で2割だ。これは巡り合わせの問題もあろう。対して吉川尚は3割4分4厘の成績を残している。

 だが打者にはタイプがある。適材適所というものがある。例えば私は長い間1番として出場してきたが、ケガから復帰して、首脳陣に「3番を打ってほしい」と命じられたことは一度もなかった。

 一時期5番を打ったが、この時は川上哲治監督に「3番を打たせてほしい」と直訴したことがあるにはあった。また、王(貞治)さん、長嶋(茂雄)さんが健在なのに1試合だけだが4番を任されたことがある。これはONの気分転換が狙いだった。

1番・吉川尚、3番・丸

 4番の岡本和真が5月、ここまでの18試合で月間打率1割9分、2本塁打、6打点と不調に陥っている。だが、6番に据えようなんて話は一切出てこない。

 中田翔が絶好調で4番の働きが期待できそうだ。こうなったら分からないでもないが岡本はなんといっても巨人の「不動の4番」である。動かせない。

 吉川尚は1番打者として出塁に心がけ、出塁したら足を使う。丸は吉川尚と比較して長打で優る。ここ一番での勝負強さも持っている。

 ここは1番・吉川尚、3番・丸が妥当なのではないか。第一相手チームが嫌がる。こう思う次第である。

 20日からの阪神3連戦(甲子園)、ビックリしたのが20日、ルビー・デラロサが9回裏2死一塁で大山悠輔に浴びた一発だ。2ストライクと追い込んで次の1球は134キロ、ど真ん中のスライダーだった。キッチリ捉えられて土壇場での同点弾となった。

 大城卓三は外角スライダーを要求したようだがよりによってど真ん中だ。なにを考えているのか。おかしい。延長戦をなんとか制したが勝っていなければ3連敗もあった。

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