街の“嫌われモノ”電動キックボード 相次ぐ無免許、酒気帯び、ひき逃げ…事業者の見解は

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大半はルールを遵守

 電動キックボードが“迷惑な乗り物”とみなされてしまうことについては、2つの理由が推測されるという。

「免許証の登録と乗車前に課せられる交通ルールテストに満点で合格しているにもかかわらず、一部の利用者が違反走行をしてしまっていることによって、大半の利用者が交通ルールを遵守いただいているにもかかわらず、全体として危険な印象になっている可能性があります。一部の悪質な利用者がいることについては重く受け止め、アカウント停止等の厳正な対処を行っています。また、違反走行に対する注意喚起をアプリ等で繰り返し行うなどの対策にも取り組んでおります」(同前)

 さらに問題視されているのは、自動車のドライバーから嫌われる“速度”についてだ。

「特例措置を受けた電動キックボードは、最高速度が時速15キロに制限されていることに起因するかと考えます。これは実証実験上、『小型特殊自動車』として車両を位置づけた結果として定められた制限です。道路を走行する多くの自動車は時速15キロを大きく上回る速度で走行しており、これらの車両のドライバーの方にとっては、速度差の大きい時速15キロで走行するモビリティがいることは運転しにくいと感じられているのかと推察しています。実際に、マイクロモビリティ推進協議会で実施したアンケートによれば、電動キックボードの速度は時速20キロが望ましいとの声も多くありました」(同前)

 一方で、規制変更の過渡期ということもあり、事実誤認によるあらぬ批判を受けることもあるという。そうした中でも、安全性向上のために取り組みを続けているそうだ。昨年のサービス開始以降、車両のバージョンアップは4度行ってきた。

「警察や自治体と連携のもと、走行禁止ゾーンを設定したり、禁止事項の注意喚起画面の表示を行ったりするなど、事故や違反防止のための対策を実施しています」(同前)

 東京都中央区は、歩行者の多いエリアでは事故の危険性が高いとして、走行禁止区域の整備を求めた要望書を警察庁に提出したという報道もある。暗い話題が続くが、ルールを守れば、誰でも乗りこなせる手軽な乗り物だと、先の「サムライド」の担当者は言う。

「まずは2、3回、地面を足で蹴って漕ぎ、そのあとゆっくりと手元のアクセルを入れます。一気にアクセルを入れてしまうと体がついていかないですし、逆にゆっくり過ぎるとバランスを取るのが難しい。少し練習してコツを掴めば、誰でも乗ることができます。これまで数百人くらい見てきた中で、『乗れない』となったのはお一人だけでした。それくらい手軽に乗ることができる乗り物なんです」

デイリー新潮編集部

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