岸防衛相の体調不良を岸田首相は見て見ぬふり…安倍家と岸家のややこしい事情もあるので

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岸田首相のリーダーシップ

 もし政治家が重大な病気に罹ると、多くの有権者が「この人に政治を任せていいのか」と不安になる。特に首相や大臣の場合だと、辞任が必要なケースも少なくない。

 だからこそマスコミは、政治家の健康状態を常にウォッチする。

 例えば小渕恵三・元首相(1937~2000)が2000年に脳梗塞で倒れた際、自民党は充分な病状説明を行わなかった。

 そのため後継が森喜朗・元首相(84)に決まった際、「小渕首相の病状について不透明な部分が多かったため、後継決定プロセスが正しいかどうか判断できない」と、有権者への説明責任が果たされていないという批判が起きた。

 岸大臣も、SNSなどでは、「将来の総理総裁」と期待する声が少なからず投稿されている。健康状態に関して報道されるのも当然だろう。

「岸大臣の健康状態に対して、岸田文雄首相(64)がどう対応するかも関心を集めています。岸大臣の体調が良くないことは傍目にも明らかです。ならば、岸田首相は後任を考えるとか、何らかの対応が必要なことは言うまでもありません。しかし今のところ、この件に触れるつもりはないようです。岸大臣の後ろ盾は、お兄さんの安倍晋三元首相(67)だからです」(前出の記者)

後継問題のカオス

 前出の自民党関係者は、「岸さんの場合、ご本人もそう簡単に大臣を辞めるわけにはいかないという事情もあります」と言う。

「事情とは後継者問題です。岸さんの選挙区は山口2区。安倍さんは山口4区です。岸さんには民放キー局に勤務していた長男がいます。普通なら彼が岸さんの後継になるはずですが、安倍さんも岸さんの長男を後継者に考えているとも言われているのです」

 もし岸大臣が健康問題で大臣を辞任し、次の選挙に出られないとなれば、岸・安倍家の後継問題も浮上してしまう。

「そうなると、ややこしい事態になる可能性があります。岸田さんにも“パンドラの箱”を開ける勇気はありません。結局、岸さんの健康問題については、見て見ぬ振りをするしかないというわけです」(同・自民党関係者)

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