ウクライナ軍に提供される榴弾砲「M777」、砲弾「エクスカリバー」の強烈過ぎる破壊力 兵器の装備でもロシア軍は惨敗

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 ウクライナ軍はロシア軍の侵攻を必死に食い止めてきた。だが最近は、“反転攻勢”の可能性を報じる記事が増えている。代表的なものとして3紙の見出しを紹介しよう。

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◆ウクライナ高官「5月末にも反転攻勢」 米欧軍事支援で(日本経済新聞電子版:5月2日)

◆ゼレンスキー氏、クリミア奪還目指す…米欧提供の武器そろう6月以降に反転攻勢(読売新聞オンライン:5月7日)

◆ウクライナ、東部ハリコフで反攻 ベラルーシが国境に部隊、陽動作戦の可能性(産経新聞電子版:5月11日)

 産経の記事はYAHOO!ニュースのトピックスにも転載された。担当記者が言う。

「日経と読売は、ゼレンスキー大統領の顧問が『欧米の武器供与で戦力が充実しつつあり、遅くとも6月半ばになれば反転攻勢に出られる』と発言したと伝えました。同じ文脈でゼレンスキー大統領も、2014年にロシアが併合した南部クリミアの奪還を命じました」

 いや、既に反攻は始まっている――そう報じたのが産経だ。記事の一部を紹介しよう。

《ウクライナ軍参謀本部は10日、東部ハリコフ州で新たに4集落の奪還に成功したと発表した》

《同国軍は6日にもハリコフ州の複数の集落を露軍から解放したとしており、反攻作戦の前進を示した》

“善戦”と“反攻”の違い

 さる軍事ジャーナリストは、「これまでウクライナ軍は“善戦”していると評価されてきました。それには理由があります」と言う。

「ロシア軍は戦車部隊を筆頭に、文字通りの大軍で押し寄せてきました。ウクライナ軍は兵員も武器も足りません。そこで、少人数の部隊で待ち伏せし、ドローンや対戦車ミサイルで侵攻を食い止める戦術を採用しました。多大な戦果を挙げて世界を瞠目させましたが、ロシア軍を押し返すだけの力はありません。だから“善戦”という言葉が使われたのです」

 ウクライナ軍が耐え、ロシア軍の損害が明らかになっていくと、明らかに西側諸国の世論が変わった。アメリカに至っては外交戦略をも変更した。

「当初はロシアを刺激しないよう、アメリカは支援を手加減していました。しかし、ロシア軍の損害を見るに、相手を過大評価していたと気づいたのでしょう。今やプーチン大統領が核使用の可能性をちらつかせても、『単なる脅しだ』と判断しているようです。『ロシアを叩くチャンスだ』と積極支援に転じました」(同・軍事ジャーナリスト)

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