小林麻耶夫妻とガーシーの包囲網にもどこ吹く風…海老蔵はなぜ変わらないのか

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父も妻も亡き後で……孤軍奮闘するしかない宣伝活動と奔放なタレントイメージの相乗効果

 先日は9年間毎日ブログを更新し続けてきたことを投稿していたが、愛妻亡き後も一日も休まなかった活動だと思うといろいろと考えさせられる。メディアから見える彼の人間性は別として、二人の幼い子どもを育てていくために、自身のプライベートを切り売りしても注目を集め続けなくてはならない部分はあったのではないだろうか。

 スターだった父も、好感度抜群だった妻も亡くした後、彼が黙ってふんぞりかえっていてもチケットは売れない。芸の向上に励むだけでなく、宣伝活動でも孤軍奮闘するしかない状況だったのは確かだろう。例えば片岡愛之助さんも、熊切あさ美さんから藤原紀香さんへの乗り換え婚が話題になったが、妻のステータスや人気度によっても観客数は大きく変わる。愛情うんぬんという前に、どれだけお客さんを連れてこれる環境かがすべてという厳しい側面はあるのだろうと思わされる。

 ごひいき筋が眉をひそめるようなSNSの活用やイクメンアピールも、やらないよりはやった方がまし。お騒がせ役者の海老蔵なら、それもまた許される。批判も多い海老蔵さんの活動だが、もともとやんちゃな彼なら想定内。良くも悪くも自分のイメージを逆手にとって注目を集めようという思惑も、少なからずあったのではないだろうか。

芸能人とは一線を引くプライド 「傾奇者」としての自負が

 それでも彼が健気ではなく傲慢に見えてしまうのは、自身のやんちゃなイメージに甘えすぎだという部分もあるだろう。独身だから問題はないが、複数の女性との交際や、前妻と暮らした自宅でのデート報道に嫌悪感を覚える人は多い。

 海老蔵さんが申し開きをしないのは、歌舞伎役者という自負ゆえに、芸能界のルールで裁かれたくないという意思もあるのではないか。昨年バラエティー番組で親子共演した時に、共演者との交流を通じて「芸能界というものを体感させていただいた」とコメントしていた。謙虚な物言いの裏に、タレントとは自分は一線を引いているというプライドが垣間見えた。

 芸能界では疎まれがちな2世も、歌舞伎界では血筋が第一。私生活がどうであろうと、芸には自信があるから見にきてくれたらわかる、という世界に生きる人だ。暴行沙汰になった相手によれば、当時の店では歌舞伎談義を熱く語っていたとされる。歌舞伎界に対する思い入れは相当強いだろう。

 今年は團十郎襲名を控えていると報じられた海老蔵さん。もともと歌舞伎は「傾(かぶ)く」に由来するとされ、新奇な趣向が売りであったとされる。歌舞伎役者というアイデンティティーにこだわる彼にしてみれば、傾奇者(かぶきもの)を地で行く行動も納得というものだ。大名跡を継ぐ大舞台を迎えるまで、炎上覚悟で話題を切り売りし続ける「伝統芸」は、まだまだ続くのではないだろうか。

冨士海ネコ

デイリー新潮編集部

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