妻の「信じがたい秘密」を知って吐き気が止まらない… 43歳男性の苦しき胸のうち

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娘は13歳になった――

 行動を決めかねているとコロナ禍に突入、結局、彼は今も芙美香さんと子どもたちと暮らしている。芙美香さんは父親のものをすべて捨てた。母の仏壇はあるが、そこに父の位牌も写真もない。位牌がどこにあるのか浩之さんは知らない。

「階下の義父の部屋を今は芙美香が使っていますが、完全に模様替えをして義父の部屋の面影はありません。写真も全部捨ててしまったんじゃないでしょうか。芙美香にとって“父親”がどういう存在だったのかはわからない。彼女自身、まだ気持ちが整理できていないのかもしれません」

 浩之さんの娘は13歳になった。芙美香さんが異様な世界に引きずり込まれた年齢だ。何があっても娘とそんなことをする気にはなれないと彼は言う。もちろん大多数の人は同じ意見だろう。ただ、中には芙美香さんの父親のような人もいる。芙美香さんがすでに自分では負いきれない傷を抱えているとしら、浩之さんはやはり見捨てることはできないのではないだろうか。離婚も視野には入っているが、今すぐ決行できるとは思えないと彼は言う。子どもたちの年齢、芙美香さんの気持ちなども考慮しなければ、と。許しがたいけれど、すべてを保留にして時間が過ぎるのを待つしかないとも思っていると彼は静かに言った。

亀山早苗(かめやま・さなえ)
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。

デイリー新潮編集部

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