ロシア軍がドローンに大苦戦 ウクライナ軍に「カミカゼドローン」供与で更に窮地へ

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戦費にも影響

 更に、国産のユニークなドローンも注目を集めている。

「UKRJETというウクライナのメーカーが、携行式対戦車弾として有名な『RPG-7』の弾頭をドローンにしてしまったのです。ざっくり言えば、対戦車弾に羽とエンジン、プロペラを付けたわけです。折りたたみ式カタパルトから撃ち出され、準備開始から約10分で射出できるようです」(同・軍事ジャーナリスト)

 飛行距離は最大で約40キロ、高度は約2000メートル、飛行時間は約10分。

「電動ですので、静寂性に優れています。ロシア軍にとっては脅威でしょう。カメラが搭載されているのでオペレーターが画面を見ながら操作することも、事前に飛行コースをプログラミングして飛ばすことも、どちらも可能です。戦車の弱点の車両上部を狙うわけです」(同・軍事ジャーナリスト)

 RPG-7はイスラム国やタリバンが活用したことでも知られている。弾頭1発の価格は100~500ドル。メーカーが利潤を上乗せしたとしても、日本円にして数百万円というところだ。

「ウクライナ軍はRPG-7を大量に保有しています。“原材料”には事欠かないというわけです。戦車は少なく見積もっても1両で数億円のコストがかかっています。それを数百万円のドローンが破壊していくわけです。ロシア軍とすれば頭の痛い問題でしょう」(同・軍事ジャーナリスト)

カミカゼドローン

 加えて、アメリカ製の自爆ドローン「スイッチブレード」の供与も決まり、ロシア軍には更なる脅威になりそうだという。

「『スイッチブレード』は小型の300と大型の600があります。300の重量は約2・5キロと軽く、兵士が携帯することができます。遠隔操縦とプログラミングによる自動操縦の選択が可能で、300にはグレネード弾が、600には対戦車弾が搭載されています。UKRJETのドローンと同じように自爆タイプで、『カミカゼドローン』と呼ばれています」(同・軍事ジャーナリスト)

 民生用の「ドローン」も戦場で活躍しているという。

「ウクライナの国民や企業が所有している民生用のドローンは、偵察に大きな威力を発揮しているようです。カメラが付いていますから、ロシア軍の動きを察知することが可能です。たとえ撃墜されたとしても、せいぜい数十万円程度の被害に過ぎません。何より偵察のため斥候を出す必要がなく、貴重な兵士の命を守ることができます」(同・軍事ジャーナリスト)

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